- 2020/12/28 掲載
高級宿、GoTo効果3倍=恩恵に偏り―民間調査
「Go
To
トラベル」が高級ホテル・旅館にもたらした効果は、それ以外の宿泊施設の3倍超。コンサルティング会社のデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーは、政府のトラベル事業の検証結果をまとめた。これまでも高級施設に恩恵が偏っていると指摘されており、それが裏付けられた格好だ。
観光庁が公表したトラベル事業の価格帯別利用実績(7月22日~8月末までの41日)によると、1人1泊当たり3万円以上の利用は全体の5%で、政府は「偏っているとの指摘は当たらない」と説明する。
一方、どれだけ部屋が埋まったかを示す客室稼働率を見ると違う結果が浮かび上がる。同社の調査では、単価が3万円以上の客室は全国に約1万9800室(全体は約160万室)ある。高級旅館などに1人で泊まるケースは少なく、1室2人利用と仮定するとトラベル事業で約37.7万泊分活用されたことになる。期間中に提供された客室数は延べ約81万室のため、トラベル事業で稼働率は46%押し上げられた計算になる。
3万円未満の客室にはビジネスホテルも含まれており、1人での利用も多いため、1室1.5人で計算。その結果、押し上げ効果は15%弱にとどまった。
同社は「高級施設に恩恵が偏っている可能性が高い」と指摘。価格帯別に利用上限を設けるなど制度を見直す必要があるとの見解を示した。
【時事通信社】 〔写真説明〕帝国ホテル東京=4月、東京都千代田区 〔写真説明〕草津温泉街=2018年1月、群馬県草津町
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