- 2021/01/25 掲載
双日、再生資源循環プラットフォームを構築するレコテック社に出資
天然資源の枯渇リスク、気候変動・海洋プラスチック汚染といった環境問題が深刻化する中で、世界的に脱炭素社会やサーキュラーエコノミー型のビジネスモデルの必要性が増しています。このような状況下、日本の製造業においても、原材料調達・設計の段階から回収やリサイクルを前提としたものづくりをおこなうことが喫緊の課題です。一方、日本国内における廃棄物のリサイクル率は依然として低い水準で推移しており(※)、特に問題視されている廃プラスチックは、材料の品質・量(安定供給)・コスト(経済合理性)などの再資源化に必要な情報が集約・蓄積されていないため、製造業における材料調達のポートフォリオに組み込むことが難しいのが現状です。その結果、廃プラスチックの持続可能な利用の妨げとなっています。
レコテック社は上記の課題を解決すべく、AIを活用して廃棄物の種類、量、場所を可視化できる独自の再生資源循環プラットフォーム(マテリアルプールシステム、以下「MPS」)を開発し、以下を通してサーキュラーエコノミー型ビジネスの実現に貢献します。
1. 精度の高い分別に貢献した排出者へのインセンティブ設計や、トレーサビリティの確立を通した、廃棄物資源の品質向上
2. AIを活用した、廃棄物量の見える化
3. 個社単位ではなく地域単位で廃棄物の再資源化に取り組むことによる、経済性向上
なお、このMPSは、2015年から2016年に東京都環境局が募集した「持続可能な資源利用」に向けたモデル事業に採択されました。
双日は、レコテック社への出資を通して、従来の一方通行型サプライチェーンではなく、サーキュラーエコノミー型の新たなサプライチェーンを構築し、日本の製造業が安心して再生資源を調達できるインフラを確立するとともに、将来的にはASEANを中心とした海外への展開を目指します。また、本件を含むリサイクル事業などの低炭素ビジネスの構築・拡大や、事業活動によって生じるCO2排出の削減に取り組み、脱炭素社会・持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(※)平成30年度の産業廃棄物・一般廃棄物のリサイクル率は、それぞれ52.4%・19.9%と低い水準で推移している。
(環境省 令和元年度事業「産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 平成30年度速報値(概要版)」( http://www.env.go.jp/recycle/sangyo_h30.pdf )および環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度)について」( https://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/h30/data/env_press.pdf )を参照)
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