- 2021/05/07 掲載
米SEC委員長、新たな取引規則を検討 アルケゴス問題など受け
空売りに関する情報開示の拡大、空売りの裏付けとなる証券の貸し出しを巡る透明性向上、アルケゴス関連の損失につながった複雑な株式スワップに関する新たな報告規則などを検討していると説明した。
株式取引アプリがポイントなどゲーム感覚の機能を使って個人投資家の関心を誘っているとの懸念を踏まえ、こうした「ゲーム化」を規制する新ルールの導入について一般から意見を募る用意を進めていることも明らかにした。
ゲームストップ株は今年1月、低コストのプラットフォームで取引する個人投資家がオンライン掲示板「レディット」で購入を呼び掛けたことを受けて急騰し、同社株を空売りしていたヘッジファンドに多額の損失が生じた。
ボラティリティーの急上昇を受け、スマホ専業証券のロビンフッドは2日間の決済期間に取引を保証するため清算機関から求められた追加保証金を支払うことができず、ゲームストップなど一部銘柄の取引制限に追い込まれた。
ゲンスラー氏はこれについて「数百万人の投資家にとって好ましくなかった」と述べた。
その上で、個人投資家向けの市場に十分な競争があるか検証するとともに、金融システムへのリスクを抑えるため、2日間の決済手続きを迅速化する案を検討していると明らかにした。
アルケゴス問題については、株式スワップがもたらす「システミック」なリスクが浮き彫りになったとし、2007─09年の金融危機を受けて導入されたデリバティブ市場の透明性に関するルールでは対処できなかったと指摘した。
ゲンスラー氏はさらに、企業の気候変動関連リスクの開示義務について投資家のフィードバックを集めているとし、今年後半に新たなルール案を公表する可能性が高いと述べた。
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