- 2021/07/08 掲載
東京農工大とローム、焦点距離1ミリメートルの極短焦点な平面レンズを実現
従来の市販のテラヘルツレンズは、焦点距離が短くてもおおよそ10ミリメートル程度で、形状も厚さ10ミリメートル程度のドーム型です。これを24マイクロメートル(1マイクロメートル=1000分の1ミリメートル)とはるかに薄い平面形状のメタレンズに、パワー密度は保ったまま置き換え、テラヘルツ発振器の小型化を実現しました。
コンパクトで高指向性なテラヘルツ発振器の製品化に向けた第一歩で、6G(Beyond 5G)超高速無線通信、各種センサ機器、X線に代わる安心安全なイメージングなどでの展開が大きく期待されます。
本研究成果は、応用物理学会Applied Physics Express(2021年7月7日付)に掲載されました。
・URL: https://iopscience.iop.org/article/10.35848/1882-0786/ac0678
用語説明
注1 メタサーフェス
原子より大きいが電磁波の波長に対しては微小なサイズの構造体を原子や分子に見立てて配列することで、自然界には存在しない電磁的性質(誘電率、透磁率)を実現できるスーパー材料(メタは“超”の意味)のこと。
注2 メタレンズ
メタサーフェス(注2)によるレンズのこと。今回実験に成功した東京農工大学の研究グループが独自に発明したメタレンズの正式名称は、両面構造ペアカットワイヤーアレーアンテナ。日本特許第6596748号, 米国特許第10686255号, 他。
注3 F/D比
レンズの焦点距離(Focal length)とレンズの直径(Diameter)との比のこと。
注4 開口数
レンズの中心軸とレンズに入射するテラヘルツ波の光軸との最大の角度をθとした場合のsinθのこと。
注5 共鳴トンネルダイオード
テラヘルツ波を室温で発振できる光源のこと。6G(Beyond 5G)超高速無線通信、各種センサ機器、X線に代わる安心安全なイメージングなどでの展開が期待されている。
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