- 2021/07/20 掲載
NY外為市場=ドル・円上昇、コロナ感染再拡大を懸念
米保健当局者は16日、インドで最初に検出された感染力の強い新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」が世界で主流になっており、米国ではワクチン未接種者の間で死者が拡大していると警鐘を鳴らした。
デイリーFXの通貨アナリスト、クリストファー・ベッキオ氏は「懸念の壁が築かれつつある」と指摘。「株安、利回り低下、ドルと円の堅調さなど全てが市場における重要なリスクオフの衝動となる」と述べた。
午後の取引で、ドル指数は一時4月5日以来の高値に浮上。終盤は0.2%高の92.855だった。
新型コロナ変異株の感染拡大で世界的に不確実性が高まる中、市場が織り込む米連邦準備理事会(FRB)の利上げ見通しも後退。今後数年間の米短期金利の期待を示すフェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む22年12月の0.25%ポイントの利上げ確率は58%と、13日の6月米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)発表後の90%から低下。13日時点では23年1月の利上げを完全に織り込んでいたが、19日は70%となった。
ドルはコモディティー通貨に対しても上昇。対カナダドルでは1%超上昇し1.2759カナダドルとなった。豪ドル/米ドルは1%安の0.7328米ドル。ニュージーランド(NZ)ドル/米ドルも0.9%安の0.6932米ドルだった。
円は急騰し5月下旬以来の高値を記録。ドル/円は終盤で0.6%安の109.44円だった。
スイスフランも同様に上昇し、ドル/スイスフランは0.2%安の0.9180フランとなった。
英国のジャビド保健相がコロナ検査で陽性反応が出てジョンソン首相とスナク財務相と共に自主隔離に入ったことを受け、ポンド/ドルは0.7%安の1.3671ドル。序盤には3カ月ぶりの安値を付けた。
ユーロ/ドルは0.1%安の1.1797ドル。一時1.1764ドルと3カ月ぶりの安値を付けた。今週は欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されている。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインはは3.4%安の3万0710ドル。節目3万ドルに接近している。
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