• 2021/08/23 掲載

住友化学、環境負荷低減への貢献に向けアクリル樹脂のケミカルリサイクル実証設備新設

住友化学

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 住友化学は、このたび、アクリル樹脂(PMMA、ポリメチルメタクリレート)のケミカルリサイクル実証設備を愛媛工場(愛媛県新居浜市)に建設することといたしました。2022年秋に実証試験に着手し、23年にサンプル提供を開始する予定です。本取り組みと並行して、使用済みアクリル樹脂の回収から、再生、製品化までの資源循環システムを確立し、早期の事業化を目指します。

 アクリル樹脂は、合成樹脂の中でも極めて高い透明性を有するほか、耐候性や加工性にも優れるため、自動車のテールランプカバーや家電、水槽、屋外看板、液晶ディスプレイ、建築材料、飛沫防止板などに広く使用されています。20年の世界需要は130万トンに上り、この先も堅調な伸びが予測されています。

 住友化学は、環境意識の高まりを受け、自社での研究のほか、他企業やアカデミアとの協業により、さまざまなケミカルリサイクルの技術開発を推進しています。アクリル樹脂については、株式会社日本製鋼所(本社:東京都品川区)と共同で、同社が有する二軸混錬押出機を利用したプラスチックの連続分解技術と、当社が長年培ってきたMMA(メチルメタクリレート)モノマーおよびアクリル樹脂の知見をもとに、開発を進めてきました。このたび、アクリル樹脂を熱分解し、原料となるMMAモノマーとして再生する独自の基本技術を確立したことにより、実証設備の建設を決定しました。この基本技術により得られたMMAモノマーを再重合してできるアクリル樹脂は、化石資源から製造したバージン材料と比較して、透明性や強度などの基本物性は同水準を維持した上で、製品ライフサイクル全体の温室効果ガス(GHG)排出量を60%以上削減できる見込みです。

 今回の実証試験で原料とする使用済みアクリル樹脂は、水族館向け大型アクリルパネルで世界トップシェアを誇り、住友化学と約50年のパートナーである日プラ株式会社(本社:香川県木田郡三木町)から出る廃材を活用する予定です。また、事業化に向けて、廃棄される自動車や家電、飛沫防止板などからの回収を含め、安定的な原料調達システムの構築も併せて検討を始めます。再生されたMMAモノマー、およびそれを原料とするアクリル樹脂は、環境規制の強化が進む自動車のほか、公共施設である高速道路の遮音板など、リサイクル材料としての付加価値が認められる分野・製品での採用を想定しています。

 住友化学は、経営として取り組む重要課題(マテリアリティ)の一つにプラスチック資源循環を含めた環境負荷低減への貢献を掲げています。これからも、グループを挙げて経済価値と社会価値を一体的に創出し、持続的な成長とともに、サステナブルな社会の実現への貢献を目指してまいります。

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