- 2021/09/30 掲載
第2四半期英GDP、前期比5.5%増へ上方改定 足元は減速
新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)による影響から経済が急速に立ち直ったことが示された。ただ足元ではトラック運転手の不足など供給面のボトルネックにより急減速している兆候が見られる。
改定により英国の第2・四半期GDPは先進7カ国(G7)中、最悪ではなくなった。
2019年第4・四半期との比較で英国はマイナス3.3%とドイツに並び、イタリアのマイナス3.8%を上回った。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「GDPの上方修正は歓迎すべきことだが3カ月前の指標だ。回復はその後失速したもようだ」と指摘した。
「ただ経済の余剰生産能力が縮小したことみられるため、イングランド銀行(英中央銀行)が遠くない将来に利上げすることを後押しする」との見方を示した。
第2・四半期は個人消費が約8%拡大した。ロックダウン中の貯蓄を支出に回したとみられる。貯蓄率は第1・四半期の18.4%から11.7%へ低下した。
GDPはサービス部門が牽引した。中でもロックダウン解除で営業を再開した宿泊・外食産業が前期比87.6%増と急拡大した。
製造業は1.8%増加した。半導体不足により自動車生産が滞る一方で、食品・飲料が大きく伸びた。建設部門はおおむね新型コロナ禍前の水準を回復した。
ONSによると、第2・四半期の経常収支は赤字幅が86億ポンドとほぼ横ばいだった。経常赤字の対GDP比は1.5%。前期は1.6%だった。
変動の激しい貴金属を除いたベースでは経常赤字のGDP比が1.8%と第1・四半期の0.2%から拡大した。貿易収支が悪化したほか、海外投資の収益が減少した。
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