- 2021/10/15 掲載
巨大IT、支配力に影響も=税負担増、狭まる包囲網―G20
【シリコンバレー時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で13日、国際課税ルールが支持された。136カ国・地域が参加表明する幅広い枠組みで、国際的な包囲網の構築により、巨大IT企業は租税回避が難しくなる。税負担の増加で稼ぐ力が低下すれば、資金力を背景に競合を買収し市場支配を固める経営手法にも影を落としそうだ。
今回の枠組みは、サービス消費地に対し、IT企業が十分に税金を納めていないとの不満が出発点にある。2023年の施行を目指すデジタル課税は100社程度が対象。年1250億ドル(約14兆円)の利益に網がかかる。グーグルやフェイスブック(FB)など米巨大IT4社「GAFA」からの税収を再分配する「歴史的合意」となりそうだ。
「重要な前進だ」。グーグル幹部のカラン・バティア氏は、狭まるGAFA包囲網を意識しつつ、G20に先立つ8日の経済協力開発機構(OECD)会合で136カ国が合意に達すると歓迎してみせた。
ただFBのニック・クレッグ副社長は、「(GAFAは)税金を多く払うことになる」と本音を吐露。一方で、各国がこれまでに独自に導入したIT企業を標的とする税制度が撤廃されることに期待感をにじませた。
各国は、法人税の最低税率を15%に設定することでも合意。アップルなどが租税回避に利用するアイルランドも参加する。
豊富な資金で開発投資や買収を重ねた4社は、優越的地位の乱用といった独占批判にさらされ、各国で法規制強化の動きも顕在化している。コロナ禍に伴う社会のデジタル化を背景に継続してきた好業績も、先が見通しづらくなってきた。
【時事通信社】 〔写真説明〕タブレット端末画面に表示された「GAFA」4社のロゴ入りアプリ=2020年10月(AFP時事)
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