- 2021/10/15 掲載
FRB、インフレ巡り見解分かれる 緩和縮小開始では一致
セントルイス地区連銀のブラード総裁は14日のオンライン会合で、インフレへの懸念を示し、「今後6カ月で自然に緩和する可能性はあるが、それを期待できるほど揺るぎないものではない」と述べた。
FRBが13日に公表した9月21─22日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、11月の次回会合でテーパリング着手が決定されれば、11月半ば、もしくは12月半ばに縮小を開始できるとの認識が示された。完了時期については「景気回復がおおむね順調なら、来年半ばあたりに完了させることが適切となる」との見解が示された。
一方、ブラード総裁は、インフレが高止まりした場合に来年春にも利上げができるよう来年第1・四半期にデーパリングを完了させることが好ましいとしている。
FRBのボウマン理事も13日の講演でインフレへの警戒感を示し、金融緩和策が物価を押し上げ、資産バブルを引き起こす恐れがあるとの懸念を示した。来月にもテーパリングを開始する案を支持するとしている。
FRB内でもハト派として知られるサンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は14日、CNNインターナショナルのインタビューに対し、現在見られているインフレ高進は新型コロナウイルス感染拡大に関連する供給網の制約に起因しており、感染の収束とともに収まると指摘した。
また、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は14日、インフレが高止まりするか確実に収束するかはまだ確信していないと述べた。さらに、賃金を押し上げ物価上昇につながる可能性のある労働市場の逼迫は人々の職場復帰が進めば緩和されるかは不明だとし、労働市場を離れている約500万人についても、その多くが恒久的に離職したかどうかを見極めることはできないと述べた。
総裁は、インフレが一時的なものかどうかを「宣言する必要性を感じている人間ではない」という。ただ、FRBはテーパリングの過程でそれを見極める時間を確保することができるとの見方も示した。
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