- 2021/11/06 掲載
有力ベンチャー企業に250億円=日本市場に成長資金―米カーライル
米大手投資ファンドのカーライル・グループは5日、事業拡大が見込まれる有力国内ベンチャー企業などに対し、2024年ごろまでに総額250億円超の成長資金を投資する方針を明らかにした。既に投資を実行した第1号案件分を含む。基本的に経営権を握らない形で少数持ち分を出資し、資金と事業戦略の両面をサポートする。
カーライルは昨年、日本特化型としては過去最大の2580億円のファンドを設定。山田和広日本代表は、この資金の10%相当を「今後2~3年で『グロース(成長)投資』に振り向ける」と有力ベンチャー企業支援に注力する意向を示した。
カーライルは今年9月、この成長投資の枠組みを初めて使い、バイオ素材開発を手掛けるスパイバー(山形県鶴岡市)に約100億円を出資した。山田氏は今後も需要は大きいと判断し、「新しい取り組みを加速していく」と語った。
カーライルはこれまで、オリオンビール(沖縄県豊見城市)など国内31社に投資し、うち8社が株式を上場した。スパイバーも数年内の上場を目指す。
日本は欧米に比べ、有望な商品・サービスを持ちながら収益源にしきれていないベンチャー企業の事業拡大を支える資金が、不足傾向にある。政府系ファンドは資金の出し手を目指しているが、企業買収に強みを持つカーライルなどの民間ファンドも参入してきた格好だ。
【時事通信社】
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