- 2021/11/10 掲載
国産半導体、供給強化へ=経済安保が前進―TSMC日本進出
半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、熊本県での工場建設を正式に発表した。スマートフォンなどのカメラに使われる画像処理センサーで最大手のソニーグループも出資。日本政府も投資額の半分程度を補助する方針で、経済安全保障上の重要度が増す国産半導体の供給強化へ官民挙げた取り組みが動きだす。
新工場で生産するのは、産業界で広く利用されるロジック半導体。ソニーのセンサー向けに生産されるほか、電動化などで需要が高まる車載半導体向けとしても供給される見込み。自動車メーカーにとっては、半導体不足による減産リスクの低減につながる。
政府は、世界的に需給が逼迫(ひっぱく)する半導体の確保へ、19日に取りまとめる経済対策に半導体工場の国内立地支援を盛り込む方針。TSMCが熊本県に新設する工場が支援第1号となる見通しだ。
英調査会社オムディアの南川明シニアコンサルティングディレクターは、台湾に依存していた生産拠点の国内立地について「地政学リスクやサプライチェーン(供給網)の混乱時に半導体の確保が容易になる」と評価。さらに、「中国との関係上、有事には日本政府の協力が得られるという台湾側のメリットもあるだろう」と指摘した。
【時事通信社】
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