- 2022/03/01 掲載
日本財団、東京港‐津松阪港で無人運航実証
本実証実験は、日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環です。本プロジェクトで開発された、無人運航に必要な機能(遠隔操船、陸上支援等)を網羅した包括的なシステムを有した船が、船舶が多数行き交う海域(東京湾)で無人運航実証実験を行ったのは世界初です。今回の実証実験の成功は、船舶の安全航行や労務負担の軽減に寄与することが期待されます。
海の事故の減少、海運の人手不足の解消など、さまざまな課題の解決につながるものとして期待されている「無人運航船」は、ICTやAI、画像解析技術をはじめ、日本が世界に対し高い技術を生かすことができる「未来の産業」として期待され、研究・開発が進められています。
日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、2020年2月より5つのコンソーシアム(複数の民間共同体)と共同で、無人運航船の開発に取り組んできました。これまで開発を進めてきたさまざまな船種の無人運航船は、2022年1月から3月にかけて、5つすべてのコンソーシアムで実証実験を行っています。
■無人運航船の未来創造プロジェクト ~多様な専門家で描くグランド・デザイン~
今回、無人運航船の実証実験を成功させたのは、国内の多種多様な30社でコンソーシアムを組み、オープンイノベーション体制で開発を進めるDFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)(※1) コンソーシアムです。DFFASコンソーシアムでは、コンテナ船「すざく」(全長95.23m、総トン数749 トン)を実験船とし、千葉県千葉市に構えた陸上支援センターからの遠隔操船機能を含む、包括的な無人運航船システムにより、東京港~津松阪港~東京港の往復約790kmの区間を航行しました。
一日あたりの航行隻数が、パナマ運河が約40隻、マラッカ・シンガポール海峡が約320隻に対して、東京湾は約500隻(※2)という海上交通過密海域において本実証実験が成功したことで、無人運航技術の高さを証明し、実用化を強力に推進することが期待されます。
また、本実証実験の成功により、内航船業界が抱える船員の高齢化や労働力不足、海難事故の減少など社会的課題の解決への貢献や、陸上支援センターでの遠隔操船の実証により、船員の新たな働き方や労働力の創出も期待されます。
*1 DFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)コンソーシアムとは、日本海洋科学を中心として構成されたコンソーシアム。参画企業は日本海洋科学(代表)、イコーズ、ウェザーニューズ、EIZO、MTI、日本電信電話、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、近海郵船、サンフレム、三和ドック、ジャパンハムワージ、ジャパン マリンユナイテッド、スカパーJSAT、鈴与海運、東京海上日動火災保険、東京計器、ナブテスコ、NX海運、日本郵船、日本シップヤード、日本無線、BEMAC、pluszero、古野電気、本田重工業、三浦工業、三井住友海上火災保険、三菱総合研究所、YDKテクノロジーズ。
*2 国土交通省関東地方整備局 東京湾口航路事務所(https://www.pa.ktr.mlit.go.jp/wankou/data/index.htm)
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