- 2022/03/03 掲載
東北大など、スーパーコンピュータ「富岳」とAIを活用した避難の実証実験を実施
本実証実験では、富士通が開発した専用のスマホアプリを通じて参加者に津波の到達時間や浸水の高さを通知するとともに、スマホアプリのメッセージ送信機能を使って参加者同士で逃げ遅れている人に避難を呼びかける地域コミュニティが一体となった安全かつ効率的な避難の有効性を検証します。
4者は、2014年に川崎市と富士通が締結した持続的なまちづくりを目指した包括協定(注5)の一環として、2017年より「川崎臨海部におけるICT活用による津波被害軽減に向けた共同プロジェクト」を進めています。本実証実験を通じたスマホアプリによる情報の提供方法の有効性検証を踏まえ、津波浸水予測AIの社会実装に向けた取り組みを進め、より安全な社会づくりに貢献していきます。
【背景】
数十年以内の発生が予測されている南海トラフ巨大地震などによる津波災害は、甚大な被害をもたらすことが想定されます。そのような津波から身を守るためには、適切な情報活用に基づく迅速な避難行動が必要です。
近年のスーパーコンピュータの高速化やAI技術の発展により、観測に基づくリアルタイムな津波の浸水予測が可能となりつつありますが、それらの情報を市民に広く伝達する仕組みが整備されておらず、また、情報の捉え方やデジタルリテラシーにおける個人差が社会実装に向けての課題になっています。
例えば、AI予測によりこれまでにない具体的な情報が得られる一方で、自然現象ゆえの不確実性により予測が外れるリスクもあるため、情報を受け取る際には、そのような不確実性を踏まえた情報の理解および利活用が求められます。同時に、情報を提供する際には、受け取る側のデジタルリテラシーの違いを考慮したインクルーシブな提供方法を検討する必要があります。
今回の実証実験で4者は、専用のスマホアプリを通じて、詳細度の異なる津波予測情報を参加者のデジタルリテラシーの違いに応じて配信するとともに、参加者同士がAIによる予測情報をもとにメッセージ送信機能を使って逃げ遅れている人へ注意喚起するなど、協力し合いながら安全かつ効率的に避難し、その有効性を検証します。
(注1)国立大学法人東北大学災害科学国際研究所:所在地 宮城県仙台市、所長 今村文彦。
(注2)国立大学法人東京大学地震研究所:所在地 東京都文京区、所長 佐竹 健治。
(注3)富士通株式会社:本社 東京都港区、代表取締役社長 時田 隆仁。
(注4)川崎市:所在地 神奈川県川崎市、市長 福田 紀彦。
(注5)川崎市と富士通が締結した持続的なまちづくりを目指した包括協定:両者は2021年6月に本包括協定をさらに強化し、まちの価値の向上に資する「健康」「安全・安心」「環境」「仕事・暮らし」を4つの重点テーマに掲げ、最先端のデジタルテクノロジーを活用した様々な取り組みを推進。
「川崎市と富士通、持続可能な未来都市の実現に向けて連携を強化」(2021年プレスリリース:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/06/23.html)
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