- 2022/03/09 掲載
エクサウィザーズ、熟練作業の効率的な技能伝承を実現する基盤を構築
■背景
少子高齢化に伴う人手不足や製造現場での技能伝承の課題を背景として、産業基盤のDXによる「遠隔化・自動化」の推進が喫緊の課題となっています。
製鉄現場では、溶けた鉄の成分、品位調整をする際に発生するスラグ(※)を分離する作業が必要になります。この作業では1,000度を超える高温溶融物を扱うため、作業員は現場に設置したカメラで確認しながら重機を用いて遠隔操作で作業を実施しています。高温溶融物の状況が変化する中での作業には、作業員の知識・経験に基づく判断が重要であり、効率的に技能伝承を進める上で実作業の指標化や熟練技能者のスキル・ノウハウを形式知することが難しいといったことが課題となっていました。
※:金属を製錬した時に出る副産物。
■スラグ分離作業におけるデータの可視化を実現、AIが作業者に向けた要点を提示することで作業の効率化・均質性の向上を見込む
上記課題の解決に向け、エクサウィザーズと日本製鉄はスラグ分離作業における重機操業デジタル化プロジェクトを進めています。このたび、同取り組みの一環として「exaBase ロボティクス」を用いて重機操業における熟練作業の技能伝承を実現するデータ解析基盤を構築し、東日本製鉄所君津地区において検証を開始しました。これにより、重機操業においてこれまでデジタル化できていなかった様々なデータの可視化を実現するとともに、作業における熟練要素の解析を行うことで、勤続10年以上のオペレーターに現れる操業技術を明確にすることができました。また同時に、新人オペレーターにおいても熟練オペレーターと同様の操業が行えるようにAIが作業者に向けた要点を提示することで補佐するソフトウェアを敷設したため、今後、同作業の効率化および均質性の向上が期待されます。
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