- 2022/03/14 掲載
焦点:今週のFOMC、FF金利の予想に注目 長短金利逆転も
2024年までのフェデラルファンド(FF)金利の予想が、中立水準とされる2.50%前後を超えれば、FOMCが景気後退のリスクを冒して、物価を抑制する必要性を認識していることが浮き彫りになる。
昨年12月時点では、大半のFOMCメンバーが2024年末時点で2.10%まで金利を引き上げればよいと考えていた。
パイパー・サンドラーのアナリストは「利上げは間違いない。誰もが知りたいのは米連邦準備理事会(FRB)が次に何をするかだ」と指摘。
FF金利の予想が2.50%を超えれば「大半のFOMCメンバーがインフレを強く懸念しており、早急にインフレを抑制するためなら景気後退のリスクも厭わないと考えていることが浮き彫りになる。これは非常にタカ派的な展開だ」と述べた。
11日午後の市場では、FRBの利上げが中立水準の手前で打ち止めになるとの見方が織り込まれている。中立水準を上回れば、市場のショック要因となり、長短金利の逆転につながる恐れもある。
今週のFOMCは、新型コロナウイルス対策を発表した2020年春以降で最も重要なFOMCとなりそうだ。
ウクライナ情勢の先行きは不透明で、エネルギー価格高騰や供給網の混乱を通じて一段の物価上昇圧力になる可能性があるほか、貿易体制やガバナンスの再編で長期的な物価高要因となるリスクもある。
一方で、新型コロナの感染拡大に歯止めが掛かり、景気回復の勢いが増すことも考えられる。家計の貯蓄率は昨年、高水準を維持しており、ガソリン・食品価格の高騰でも消費者が他の分野への支出を減らさない可能性がある。
FRBは昨年12月時点では、小幅な利上げでインフレを抑制できるという景気の軟着陸シナリオを描いていたが、今回のFOMCでは、そうした見通しをどこまで修正するかが議論されることになる。
パウエル議長は今月の議会証言で、ロシアのウクライナ侵攻を「ゲームチェンジャー」と呼び、予測不可能な結果をもたらす可能性があるとの見解を示している。
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