- 2022/03/17 掲載
米スタバ、ジョンソンCEO退任へ シュルツ氏が暫定トップに復帰
ジョンソン氏(61)は13年前に入社し、2017年からCEOだった。コロナ禍が最も深刻だった時期を乗り切る上で手腕を発揮。同社は世界中で休業を強いられ、売上高も急減したものの、同氏の下で持ち帰りサービスやドライブスルー導入、アプリの積極活用などの対策を相次ぎ打ち出し、業績を回復させた。
数度にわたる従業員賃上げで世界的な飲食チェーン企業の多くに先駆ける形になったのも、ジョンソン氏の経営方針による。同社の最低時給はこの夏までに15ドルから23ドルに切り上がる。ただジョンソン氏は1年前、取締役会に対し、コロナ禍が一服すれば退任するかもしれないとの考えを伝えていた。
一方でアプリの積極活用は店頭で長い行列を生じさせ、幾つかの地域で従業員の疲弊や過労が問題になった。職場の感染リスク対策が不十分との不満も背景に、過去7か月で、27州140以上の店舗で労組結成を目指す動きが発生。会社側との新たな対立を生み出している。
復帰するシュルツ氏は労組問題については、会社が従業員を「パートナー」と呼ぶようにしており、非常に親密な関係を築いて大切に扱っている以上、労組は不要というのが持論。6店舗の従業員を代表する労組ワーカーズ・ユナイテッドとも角突き合わせている。従業員への待遇ぶりを極端に表現した同氏の発言がソーシャルメディアで炎上したこともあり、組合員からは同氏復帰を警戒する声も出ている。
CEOの正式後任選びでは、BMOキャピタル・マーケッツのアナリストのアンドルー・ストレルジク氏によると、世界的なブランド力と力強い成長期待があるために有能な候補者を引きつけられそうだ。ジョンソン氏がハイテク畑のマイクロソフトやジュニパーネットワークスなどの出身者であったことから、後任者も幅広く検討される可能性が高いとみている。ただ、より好ましいのは消費者サービス業界でしっかり経験を積んだ人物ではないかという。
コーエンのアナリスト、アンドルー・チャールズ氏は、16年にスターバックスの最高執行責任者(COO)を退任したトロイ・アルステッド氏を挙げ、投資業界でも評判が良いことで今回、最終選考まで残るはずだとの見方を示した。
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