- 2022/04/12 掲載
IHIと富士通、新たな環境価値流通プラットフォームの実現に向けプロジェクトを開始
具体的には、IHIのIoT基盤「ILIPS」(アイリップス/IHI group Lifecycle Partner System)(注2)を通じて収集されたデータから算出したCO2削減量を環境価値としてトークン(注3)化し、異なるブロックチェーン同士を安全に相互接続する富士通の「ConnectionChain」を活用して環境価値取引市場に流通させるプラットフォームを立ち上げ、効率的な環境価値の流通を目指します。
両社は、本共同事業プロジェクトを通じて立ち上げるプラットフォームにより、世界各国の企業が創出するCO2削減量などの環境価値の効率的な流通を目指すとともに、世界共通の目標であるカーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指します。
■背景
カーボンニュートラルの実現に向けて各国・企業がCO2排出量削減目標への取り組みを進める中、近年、社会全体でのコスト効率が高い削減手法として、また自国・自社の削減の補完として、カーボン・クレジット(注4)などを活用した環境価値取引への需要が高まっています。
一方、環境価値取引の活性化にはカーボン・クレジットの市場流通量の拡大が喫緊の課題となっています。これに対し、自主的なカーボン・クレジット市場拡大を目的に設立されたTSVCM(注5)などの国際イニシアチブは、取引規模の拡大に向けた提言や取引制度の標準化活動を推進しており、同じく国内においては官民が連携しカーボン・クレジット活用の為の環境整備の検討などを進めています。また、温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度である「J-クレジット制度(注6)」においては、個人や中小企業の環境価値創出機会の掘り起こし、クレジット創出・活用プロセスのデジタル化推進、取引市場の創設など、供給・需要の拡大や制度環境整備に向けた施策も検討されています。
(注1)環境価値取引:CO・などの排出削減量あるいは吸収量・除去量を測定・認証し、その脱炭素効果を取引可能な価値として権利化したもの。
(注2)ILIPS:IHIグループ製品・サービスの高度化を目的に、装置や設備のデータをクラウドサーバに集積し、ライフサイクルビジネスに活用するIHIグループ製品共通のプラットフォーム。
(注3)トークン:ブロックチェーン技術を用いて、企業や団体などが独自に発行するデジタル化された権利、資産のこと。
(注4)カーボン・クレジット:環境価値の代表例のひとつ。対策前のCO・などの排出量見込みと、対策後の実際の排出量の差分を認証し取引可能な価値として権利化したもの。
(注5)TSVCM:The Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Marketsの略。カーボン・クレジット市場の規模拡大を目指す民間主導の国際イニシアチブ。
(注6)J-クレジット制度:カーボン・クレジットの国内運営制度のひとつ。省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO・などの排出削減量や、適切な森林管理によるCO・などの吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。
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