- 2022/04/20 掲載
J&J、コロナワクチン売上予想公表を中止 通期利益を下方修正
J&Jは売上高予想公表を一時中止した理由として、需要が不確実なのに加え、1回接種する同社製ワクチンよりはるかに好調な競合他社製ワクチンの供給過剰を挙げた。
J&Jのワクチンは「非営利」価格で販売され、22年第1・四半期に4億5700万ドルの売り上げがあった。21年の売上高は、製造上のボトルネックと安全上の懸念を受けて競合のmRNAワクチンを下回っていた。
米製薬大手ファイザーはドイツのビオンテックと共同開発した新型コロナ用ワクチンの22年の売上高を320億ドル、米モデルナは210億ドルとそれぞれ予想している。
J&Jによると、22年通期の調整後利益予想は1株当たり10.15─10.35ドルとなり、前回予想の10.40─10.60ドルを下回る見通し。第1・四半期の全体売上高は234億3000万ドルで、リフィニティブ予想の236億1000万ドルを下回った。
ジョセフ・ウォーク最高財務責任者(CFO)は米CNBCテレビに対して「業績でわずかに達成できない分は新型コロナ用ワクチンの関連で、率直に言って業績は社内予想に沿ったものだ。アナリストが想定した通期見通しとは異なっていただけだ」と語った。
製造委託先のエマージェント・バイオソリューションズのメリーランド工場で昨年、成分の取り違えがあったため約1500万回分のワクチンが無駄になった。この工場は米食品医薬品局(FDA)が生産停止を命じた。
米紙ニューヨーク・タイムズは今年2月、J&Jが21年後半に新型コロナワクチンに使用可能なバッチを製造している唯一の工場を閉鎖したと報じていた。
J&Jの第1・四半期は特別項目を除いて1株当たり2.67ドルの利益を上げ、市場予想の2.56ドルを上回った。
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