- 2022/04/21 掲載
米金利上昇が海外勢の投資減少誘発、不動産ファンドにリスク=日銀
リポートは、日本の金融システムは「全体として安定性を維持している」と総括。地域金融機関による不動産業向け融資のほかに、邦銀の海外貸出のリスク分析も実施した。
大手行が注力する海外向け与信については、米銀に比べて非投資適格級の比率が高いと指摘。金融環境が広範に悪化すると米国の大手商業銀行に比べてデフォルト率が上昇する可能性があるとした。外貨調達については、在米欧州銀に比べて邦銀は流動性資産が少なく、その分外貨の市場調達が多いため流動性リスクが高いと指摘した。
ウクライナ情勢について、現時点で金融システムへの影響は限定的だが、「先行きには大きな不確実性がある」と指摘。資源高やサプライチェーンの悪化で融資先企業の収益に悪影響が及ぶ可能性に留意が必要だとした。「国際金融市場の大規模かつ急速な調整が生じる場合には、日本の金融システムに大きな影響が波及する可能性もある」とも指摘した。
(和田崇彦 編集:田中志保)
関連コンテンツ
PR
PR
PR