- 2022/05/18 掲載
NEC、杉並区でAI技術を活用し交通流・人流を分析する実証実験を実施
近年、自治体の政策の立案・実行に向け、EBPM(Evidence-based Policy Making:証拠に基づく政策立案)に使用する客観的データの収集が重要になっています。杉並区ではデータに基づいた安全・安心でウォーカブルなまちづくりを目指し、これまでも人手による交通流や人流のデータを把握するために測定を実施してきました。一方で、人手による測定は、目視によるカウントなどの労力、費用、時間を要することから調査期間・時間が限定されるとともに、収集できるデータの種類の少なさや精度の偏りなどが課題となっていました。 こうした中、杉並区は、安全・安心なまちづくりと業務効率化を実現するため、NECとともに2019年に「スマート街路灯」を活用した街路灯の管理効率化、河川監視の実証を実施し(注1)、その評価・検証を踏まえ、2021年8月からはリアルタイムな河川監視・道路冠水の把握のための「IoT街路灯システム」を運用開始しています(注2)。
今回の実証では、杉並区の国指定史跡「荻外荘」(荻窪二丁目43番19号先)付近にある区所有の道路灯に設置したカメラの映像から、NECソリューションイノベータ株式会社の車両を中心としたシーン分析エンジン「FieldAnalyst for Vehicles(注3)」を用いて分析し、交通流・人流を匿名化し統計データとして可視化しました。通行する車両数や歩行者数のデータだけではなく、車種(普通車/トラック/バス/バイク/自転車)や速度、移動方向、車線はみだし等の詳細データを常時収集可能となり、車道や歩道整備のポイントを明確化することができました。これにより、分析データに基づいて道路の整備・工事計画を立案することが可能になるとともに、これまでの人手によるデータ収集および分析時に比べ、業務時間を90%以上削減できることを確認しました。また、これまでは数年に1回(1日12時間)の測定実施が、日程・時間にとらわれることなく実施することが可能となりました。
(注1)2019年7月24日発表:NEC、杉並区で「スマート街路灯」の実証を開始
https://jpn.nec.com/press/201907/20190724_02.html
(注2)2021年8月30日発表:NEC、杉並区へ「IoT街路灯システム」を納入
https://jpn.nec.com/press/202108/20210830_02.html
(注3)FieldAnalyst for Vehicles
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sl/fieldanalyst/fa_02/nva/
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