深刻な脅威が広まるサイバー攻撃
日本国内には先端技術や知的財産を有する企業が数多く存在しており、これらの企業を標的とする情報窃取型サイバー攻撃が、相次いで起こっている。情報の流出は、国力の低下につながるほか、兵器などの開発に転用され、安全保障に深刻な影響を及ぼすなど、そのダメージは計り知れない。
「2025年には、大阪関西万博という大きな行事の開催も予定されています。国家イベントは、サイバー攻撃の格好の標的となるだけではありません。警備や対策に社会的なリソースが振り向けられた、間隙をついたサイバー犯罪の発生につながることも想定されます。サイバー空間における脅威は、ますます増大している状況です」
日本国内のサイバー犯罪の現状についてこう説明するのは、警察庁長官官房審議官(サイバー警察局担当)の大橋一夫氏だ。
大橋氏によれば、企業に対するサイバー攻撃の主な目的は「金銭の窃取」「機密情報の窃取」「業務停止」である。これらの目的を達成するため、攻撃者側はさまざまな手段を使って攻撃を仕掛けてくる。具体的には「金銭の窃取」ならばランサムウェア、「機密情報の窃取」ならば標的型メール攻撃やフィッシング、「業務停止」ならばDDoS攻撃だ。
そして、これらサイバー攻撃においては、1つの攻撃によって攻撃者が達成できることが1つとは限らないと大橋氏は指摘する。たとえば、ランサムウェアによる攻撃ならば、身代金による金銭の獲得だけでなく、機密情報の獲得や暗号化によって事業へ影響を与えることも可能である。1つの脅威が事業にさまざまな面で影響を及ぼす可能性があることを認識する必要があるのだ。
では、こうしたさまざまなサイバー攻撃は、国内外で具体的にどんな被害をもたらしていて、脅威に対する対策はどう進められているのだろうか。以下で大橋氏が詳しく解説する。
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・被害額「数十億円」もあり得るランサムウェア攻撃
・国家が関与する恐怖の「APT攻撃」とは
・警察庁に新設置されたサイバー組織の「解決事例」紹介
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