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- 2023/07/26 掲載
いよいよマイナス成長に陥ったYouTube、どう「テコ入れ」をしていくのか?
バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/
YouTube成長鈍化から下降傾向へ
YouTubeの広告収益は成長が止まり、最近は下降傾向となっている。広告収益がピークを付けたのは、86億3,300万ドルを計上した2021年第4四半期だ。Statistaのまとめによると、この次の2022年第1四半期には68億6,900万ドル、そして第2四半期には73億4,000万ドル、第3四半期には70億7,100万ドル、第4四半期には79億6,300万ドルといずれも2021年第4四半期を超えることはなく、また80億ドルを上回ることもなかった。
そして直近となる2023年第1四半期は、66億9,300万ドルと前年同期比で2.6%減を記録。アルファベットは、YouTubeの広告収益減少の理由として、経済的な不確実性の高まりにより、広告主による支出が減少したことを挙げている。
この状況下、YouTubeは広告収益を再び成長軌道に乗せることに加え、他の手段によって収益拡大を模索する動きを本格化させている。
最新決算報告では有料購読者数が公表されず
広告収益以外でまず注目されるのは、有料サブスクリプション(定期購読)からの収益だ。決算ではYouTube TV、YouTube Music、YouTube Premiumを含む「Google Other」カテゴリに記載される収益。2023年第1四半期、この有料サブスクリプションからの収益は、74億1,000万ドルと前年同期の68億1,000万ドルから9%増加した。Music Business Worldによると、YouTube MusicとYouTube Premiumの購読者数は、2022年末時点で8000万人、その13カ月前の3000万人から5000万人増加したという。ただし、最新の決算報告では、この購読者数のアップデートは公表されていない。
Statistaがまとめた、米国のYouTube Premium購読者数の推計値は、2020年2000万人、2021年2360万人、2022年2550万人となっている。また、2023年には2670万人、2024年には2790万人に増加すると予想されている。 【次ページ】AIによって1万本超の動画が70言語に吹き替え
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