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  • 2006/09/19

OSI参照モデルとTCP/IPの階層の違いとは?

【2分間Q&A(1)】

ブロードバンドの普及に伴い、ネットワークはすでにライフラインといっても過言ではない状況にある。ただその仕組みを細かく解き明かしていくには豊富な知識、経験が必要になる。そこでここでは、技術者向けだけではなく、IT関連製品の営業部門の方やユーザーにとっても必須のネットワークの知識、基本的な内容について解説する。

Q:OSI参照モデルの階層とTCP/IPの階層は同じか?

 OSI参照モデル(Open System Interconnection:「OSI階層モデル」ともいう)とはコンピュータやネットワーク機器を相互接続するためのリファレンスモデルであり、あくまで概念だ。標準化作業は「ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)」(*1)によって、すべてのネットワーク機器、コンピュータに実際に採用される目的で1977年から進められていた。

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OSI参照モデルとTCP/IPプロトコル群の違い。TCP/IPプロトコルは、OSIよりも実装面で効率的、かつ現実的な仕様となっている

 OSネットワークシステムの概念を7つの階層に分けて表現したモデルで、最下層(第一層)の「物理層」にはネットワーク媒体の電気的な信号を変換する方法を規定し、最上位層のアプリケーション層はアプリケーション間のデータのやり取りについての規定を設けている(図左)。これによって、各階層間のインタフェースおよびプロトコルを定めておけば、各階層に属するプロトコルや実装方法などを他の階層のプロトコルなどに依存しない形で自由に設定できる、というメリットがある。

 一方、TCP/IPは、インターネットの原型となった米ARPANET(*2)のプロジェクトから生まれたプロトコル群である。このプロトコルの発明者であるビント・サーフ氏は「インターネットの父」として有名だ。TCP/IPは1974年に開発され、当時のインターネットの商用化に至る過程で、事実上の標準プロトコル群として広く利用されるようになった。TCP/IPの世界的な普及により、OSI参照モデルは非実装モデルのあくまで「概念」として生き残ることとなった。

 TCP/IPは、OSI参照モデルと同様、階層構造によってネットワークシステムの概念を表現している。しかし、その階層は7つではなく「ネットワークインタフェース層」「インターネット層」「トランスポート層」「アプリケーション層」の4層で成り立っている。単純にOSI参照モデルと比較すると図1のように対応する。OSIの第1~2層がネットワークインタフェース層として、5~7層がTCP/IPのアプリケーション層としてまとめられ、OSIよりも実装面で効率的、かつ現実的な仕様となっている。

 なお、データ単位の名称についても、OSI参照モデルとTCP/IPでは異なる。OSIでは「セッション層(データ)」「トランスポート層(セグメント)」「ネットワーク層(パケット)」「データリンク層(フレーム)」となっているが、TCP/IPでは「アプリケーション層(ストリーム)」「トランスポート層(セグメント)」「インターネット層(データグラム)」「ネットワークインタフェース層(フレーム)」という単位(いずれも、TCPプロトコルの場合)で示される。

*1 ISO
工業製品に関する国際標準規格の策定を行う目的で1947年に設立された機構。
*2 ARPANET
1969年米国高等研究所のプロジェクトによって研究、開発されたネットワーク(Advanced Research Projects Agency Network)で、インターネットの原型となった。1978年には同ネットに接続するすべてのコンピュータ向けのプロトコルとしてTCP/IPが使われるようになった。

フリーランスライター:池田冬彦<毎週月曜日連載>

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