• 2007/03/20 掲載

【CIOインタビュー】 黒部市民病院 「医療の効率や質を高めるIT化」に取り組む(2/5)

【オンラインムック】経営革新を支える日本のCIO

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医療の効率や質を高める「クリニカルパス」に取り組む


 今田氏が病院のクリニカルパスを手がけるようになったのは、まだ紙カルテが中心だった1998年のこと。「クリニカルパス」とは、工場などで人員管理や工程管理に用いられるガントチャートに似た手順書のようなもの。アメリカで考案され、日本でも一部の病院で検討されていた。アメリカでは医療経済制度が厳格で、極めて短い入院期間に効率良く安全に医療ケアを進める必要がある。

【マネジメント】『情報リーダー研究』黒部市民病院 関節スポーツ外科医長 今田光一氏

黒部市民病院 関節スポーツ外科医長
今田光一氏

 当時のクリニカルパスは、入院して何日目に何をするかなど、退院までのプログラムをスケジュール表として作成していた。

 同様の治療であっても、選択する薬剤や検査方法が医師によって違うと、医療過誤(医療ミス)や過剰検査あるいは検査漏れが発生する。このようなことを防ぐために、医療ケアの予定を適正化するのがクリニカルパスの目的である。

 しかし、管理されることや、自分のスタイルを変えることに抵抗のある医師からは、当然のごとく反発があった。今田氏は当時をこう振り返る。

「人それぞれで異なる身体に対して、『何日目に何をする』などと決め打ちするわけですから、最初は批判的だったわけですね。そのプロジェクトにいながら、私も最初は疑問を持っていました。人間に対してできるものではないだろう、と。

 しかし、『入院何日目に何をする』ではなく『何を達成したら、次へ進む」というように、日にちにとらわれない目標管理式のステップにすれば
よいことががわかりました。そして、反発していた人たちを説得し、工夫すればよいツールになることを最終的には理解してもらえました。

 また、それまでのクリニカルパスの基本形であった『スケジュール表」形式ではなく、ステップの中の1日分をひとつのシートとし、すべてのスタッフの記録を盛り込んだ形式を開発しました。これが現在の電子化クリニカルパスシステムの基礎となっています。」

 この紙ベースでのクリニカルパスは「オールインワンパス形式」と名付けられ2000年に発表されたが、その名称が一般的となり、現在では全国の多くの病院で使われている。

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