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  • 2023/12/25 掲載

「あの人やっぱりB型っぽい」は大間違い、グーグルも苦戦の怖すぎ「バイアス」の正体

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ネットショッピングをしていて、もともと買うつもりがなかった商品を思わず「ポチって」しまった経験がある人も多いのではないでしょうか。実はこの行動、行動経済学で説明されている、ある「バイアス」の仕業なのです。私たちはそうしたバイアスによって、買い物や採用面接といった場面で「間違った」決定を下してしまうことが多々あります。『行動経済学が最強の学問である』の著者、相良奈美香氏が代表的な2つのバイアスをご紹介します。

執筆:「行動経済学」コンサルタント 相良奈美香

執筆:「行動経済学」コンサルタント 相良奈美香

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日常に潜む「バイアス」について解説する
(Photo/Shutterstock.com)

なぜネットで思わず「ポチる」のか

「買うつもりはないのに、思わずポチってしまった」

 これはネットショッピングをしていればよくあることですが、人間は自分が思うほど自制心が強くありません。なのに、「私は誘惑に負けない。衝動的な行動を抑えられる」と自分を過大評価する認知のクセを持っています。これを行動経済学では「自制バイアス(Restraint Bias)」と呼びます。

 たとえばダイエット中の仕事帰り、疲れて空腹の状態でコンビニに寄るとします。

 「明日の朝食べるヨーグルトを買うだけだ」と自分に言い聞かせていても、商品を見るとつい、ビールやジュース、脂っこい太りそうなものも買ってしまう。誘惑に負けてしまうのです。

 これが朝だったら、元気でシステム2もよく働いていますし、意志の力も強いはずです。「いやいや、ヨーグルトしか買わない」と自制できるでしょう。しかし、夜だって大丈夫というのは自制バイアス。空腹で疲れているなと自覚しているときには、ヨーグルトだけ手に取って、後は何も見ず・考えずにレジに直行すべきです。

 「誘惑に弱いのに、誘惑に弱いことを理解していない」という非合理さに対処するには、誘惑されそうな状況に身を置かないことです。

「誘惑に弱い」と認識せよ

 何も買うつもりがないなら店に行かない。誘惑に負けないようにしようと意志の力で頑張るより、「自分は誘惑に弱い」と認識し、仕組みを作ることが大切です。

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『行動経済学が最強の学問である』
画像をクリックすると購入ページに移動します

 私は最近、「健康意識を上げて、間食もやめたい」という友人から相談を受けたのですが、話を聞いて驚いたのは家にお菓子が大量にあること。まずはそのお菓子を全部手放すように勧め、どうしても食べたいときは、1つだけ買いに1つ分の現金だけを持って歩いて買いに行くように勧めました。このように、行動をやめたい場合には、あえて「小さなひと手間」を加えることも効果があります。ほかには浪費をやめられない人は、銀行のキャッシュカードだけ持ち、クレジットカードやスマホを持たずに外出する。何か買いたいものがあったら、ATMで現金を引き出して買う必要性を作る。

 また、アメリカでは以前クレジットカードを冷凍庫で凍らせ、すぐには使えないようにするというハックが話題になりました。

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アメリカでは以前、クレジットカードを凍らせて使えなくするハックが話題となったことがある
(Photo/Suhtterstock.com)


 ほかにも、ビール好きだが、ちょっと飲むときの量を減らしたいという場合には、あえて冷蔵庫には入れずに常温で保管しておくという友人がいます。そうすると、冷蔵庫に入れて2時間ほど待っている間に「もういいや」となることが多いのです。このように、敢えてひと手間を必要とするようにし、自分で誘惑に打ち勝つ仕組みを作っておきましょう。 【次ページ】生活に潜む「確証バイアス」とは

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