日立情報システムズ ネットワークサービス事業部 セキュリティソリューション部 技師 宮岡聖一氏

　情報漏えい事故に対する社会の関心は高 まり、責任を問う声は厳しくなった。ノー トパソコンや通信カードなどのモバイル機 器の性能向上でユビキタス環境の整備は進 んでいるにも関わらず、事故を恐れて外出時 の持ち出しを禁じている企業も少なくない。 持ち出さなければ情報をなくすことはないの で、確かに安全な対策である。

　しかし、こう した対策は効率を犠牲にしている。その大 きさはシステム管理者の負担にも劣らない。 わずか1 枚の伝票や報告書を作るために、出 張先から会社へわざわざ戻ったり、休日出勤 したりという話も聞く。働く者にとって大き なストレスだ。

　「SSCom Lite」の発売には、こうした現状 を改善したいという狙いも込められている。 リモートアクセスを導入すれば、社外にいる 時と同じ感覚でメールシステム、業務シス テムなどをセキュアに利用できる。宮岡氏 は「さまざまな工夫により、導入の敷居は大 幅に低くなった。業務効率の低下に悩んで いる中小規模の企業のストレスを解消した い」とその熱い思いを語る。



　社内の認証基盤を担う製品は、1度導入し たら長く使い続けていくことが前提となる。 しかしアプライアンスで提供される製品は 機器の保証期間が短かったり、利用規模の 拡大に柔軟に対応できなかったりするため、 企業側の需要とは関係なくバージョンアップ や機器更新を迫られることになる。その点、 「SSCom Lite」のようにソフトウェアで提供 されるソリューションは、サーバ機器が古く なればハードウェアのみを更新できる。サー バ機器は年々高機能化、低価格化が進んでお り、汎用のサーバ機器を利用できることで得 られるメリットは大きい。また、利用規模が 拡大した場合にも、サーバ機器を高機能なも のに変更し、ライセンスを追加購入するだけ で対応できる。

　ソフトウェアで提供されることで、インス トールや設定の手間を心配するかもしれない がそれは無用だ。「SSCom Lite 」ではすべて の機能が連携し、ユーザー管理も1ヵ所に集 約されている。人事異動などの情報変更時 以外は存在を忘れてしまうほど、運用負荷は 低い。さらにインストールは前述の通り一 般アプリケーション並みに容易になった。手 間を掛けずに社内の認証基盤を用意できる のだ。

　「SSCom Lite 」は、これまではPKI に導入 の敷居の高さを感じていた中小規模の企業 にとっても、「とりあえず、試しに」という気 持ちで導入できそうだ。

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