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  • 2008/06/18

【連載】戦略フレームワークを理解する「ブルーオーシャン戦略」

立教大学経営学部教授 国際経営論 林倬史氏 + 林研究室

2000年代に入り、興味深い戦略論が登場してきた。この戦略論は、いわゆる従来型の競争戦略論ではない。業界を固定的に見ることなく、業界や資源を再構成することによって新たな市場を構築していく戦略論、W.チャン.キムとレネ.モボルニュの提起する「ブルー・オーシャン戦略」である。

2000年代に入り、興味深い戦略論が登場してきた。この戦略論は、いわゆる従来型の競争戦略論ではない。M.ポーターをはじめとする従来の競争戦略論は、所属業界他社に対する競争優位性や競争優位の源泉を直接的な分析対象としてきた。こうした従来型の競争戦略論は、固定的産業構造を前提とした業界内において、他社より有利なポジショニングをし、他社からシェアを奪い取るための、いわゆる陣取り合戦論であるともいえる。それに対して、業界を固定的に見ることなく、業界や資源を再構成することによって新たな市場を構築していく戦略論が、W.チャン.キムとレネ.モボルニュの提起する「ブルー・オーシャン戦略」である。

ブルー・オーシャン戦略とは何か

 ブルー・オーシャン戦略とは、今はまだ存在していない市場‐つまり、競争がいまだ存在していない未知の市場空間を作り出す戦略である。そこには競合他社は存在しないため、企業は自らが創出した「青い海」を自由に泳ぐことが出来る。

 著者達は、競合他社が多数存在し、その中で競争優位を築こうとする既存の戦略論を「赤い海の戦略」とする。まず「赤い海(レッド・オーシャン)の戦略」とは、既存市場の中(赤い海)で、お互いに獲物を奪い合い、血で血を洗う戦略のことを意味する。

 前回までに述べたポーターバーニーの戦略論は、「既存の産業構造内でのポジショニングと差別化」や「他社に対する自社資源の競争優位性」フレームワークから出発した理論であるため、「赤い海の戦略」(レッド・オーシャン戦略)と呼ぶことができるだろう。他方、競合他社の存在しない新しい市場を開拓する戦略、これが「青い海の戦略」(ブルー・オーシャン戦略)である。これは、まだ存在していない市場を創造することによって、高い収益性・成長性を創出する戦略である。つまり、他社との競争関係の中で自社の競争優位を創り出していこうとする既存の競争戦略論とは全く異なるフレームワークによる戦略論である。

ブルー・オーシャン戦略の特徴

 過去100年間の先行事例研究の結果、ブルー・オーシャン戦略には、4つの特徴があることが見出された。その4つとは、

1)青い海は技術革新の産物ではない
2)青い海は既存のコア事業から生まれやすい
3)企業や業界を単位に分析してはいけない
4)青い海はブランドを育てる

である。

 まず1)については、青い海の創出時には、必ずしも技術革新を伴っておらず、むしろその基盤となる技術はすでに存在していたのである。たとえばT型フォードの組み立てラインでさえ、すでに精肉工場に先例があった。次に、2)については、たとえば日本の自動車メーカーが低燃費で走る車という青い海を創出した際に、自動車やそれを作る技術はすでに存在していたことからも、青い海は既存のコア事業から生まれやすいということがわかる。また3)については、一企業が永遠に輝き続けることはないため、分析をする際には一企業や業界単位ではなく、市場を創出するような大胆な戦略行動ごとに分析をするべきであるということである。そして4)については、一旦青い海を創出すると、10年~15年に渡るブランド・エクイティを築くことが出来ることを示す。

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