- 2008/06/18 掲載
【連載】戦略フレームワークを理解する「ブルーオーシャン戦略」(2/3)
ブルー・オーシャン戦略が成り立つ条件
青い海を創造する企業は、赤い海で競争する企業とは対照的に、自社の競争力についてベンチマークをしない。むしろ、自社と顧客双方の価値を飛躍的に高めることによって、競争とは無縁の存在になっている。ブルー・オーシャン戦略の最も重要な特徴は、従来の戦略の根本であるバリュー・プロポジション(提供価値)とコストのトレードオフを否定していることである。従来の戦略論では、大きな価値を提供するためには、コストが高くなる。一方コストを下げれば、価値は低くなる。つまり従来の戦略論は、差別化と低コストとの選別であった。しかし、ブルー・オーシャン戦略では、既存の戦略論では相容れなかったこの2つの概念が、実は共存するものであるとする。顧客にもたらされる価値は、商品やサービスの効用と価格によって決定される。一方、企業にもたらされる価値は、コスト構造と適正価格から決まる。したがって、ブルー・オーシャン戦略が成り立つのは、効用、価格、コスト構造が適切な関係性を保っている場合に限られるのである。
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