- 2025/10/23 掲載
【単独】元マイクロソフトの澤円氏が断言、AI時代は「やりたい仕事だけやればいい」(2/3)
「やりたいこと」に多くの時間を投資する
働き方が変われば、当然ながらキャリアの作り方も変わります。これまでは、ある程度経験を積んでITツールの使い方を覚え、そこからようやく効率的に仕事ができるようになるという流れでした。しかし、AIの進化はこのプロセスを一変させています。いまやITツールは「使い方を覚える」ことすら不要になりつつあります。生成AIに質問を投げかければ、AIが答えを返してくれる。新規事業のアイデアを自動生成したり、デザインプロセスを効率化したりすることも可能です。デザイナーが短時間で数多くの仕事をこなしたり、顧客ごとに異なる個別ニーズに合わせたアウトプットを即座に生み出せたりする時代になっているのです。
私自身、サイバーセキュリティに関するプレゼンテーションをAIで自動生成するデモをよく紹介します。スライドの骨子を提示すれば、AIが短時間で質の高い資料を組み立ててくれる。そこに人間が少し手を加えるだけで、完成度の高いアウトプットが得られます。こうした環境の変化は、人間の仕事の役割を大きく変えているのです。
では、この時代にどうキャリアを築いたらよいでしょうか。私は「向いている/向いていない」と「やりたい/やりたくない」の二軸で考える4象限モデルを提案しています。
とりわけ大事なのは右側の「やりたいこと」です。やりたいことには自身のやる気という強力すぎるエンジンが備わっており、時間を投資するほど得意なことに変わっていきます。
逆に、これからは「向いているけれどやりたくない」仕事にしがみつく必要はありません。そうした仕事はAIが代替する可能性が高く、そこにこだわることは長期的に見れば自分を苦しめるだけだからです。
これまでは、やりたくないけど向いている仕事をせざるをえない時代でした。しかし、これからは意思を持って「やりたいこと」に取り組むこと。それがAI時代におけるキャリア形成の最大の鍵になると思っています。効率化や自動化が進めば進むほど、人にとって大事になるのは「何をやりたいのか」という問いなのです。
そしてもう1つ、この意思を後押しする道具として注目する一つが今回のイベントのテーマである「AI PC(注) 」です。最新の武器を活用する重要性はこれまでも述べてきましたが、生成AI機能を標準搭載し、音声入力や画像生成、リアルタイム翻訳などを瞬時に処理するAI PCの存在はかつてないほど重要性を増しています。
また新しいテクノロジーは試行錯誤が必要になります。人間が「これをやりたい」と意思を示せば、即座に形にしてくれる存在には目を向けることが重要です。 【次ページ】AI時代にはマネージャーの役割も大きく変わる
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