中堅・中小企業向け内部統制評価基準は、経験から言うまでもなく、その企業の資金力、人材力等を考慮すれば、いたずらに複雑で詳細な基準を押しつけても、その実効性は少ないと考えるべきであろう。したがって、簡易な基準を導入することを考えるのであれば、その範囲を絞り込み、中堅・中小企業にとって、最も重要な「業務の有効性と効率性」(内部統制の4つの目的の1つ)に絞り込んだ基準を開発することが重要成功要因となる。それは、企業の業績向上に結びつくような、企業の信頼性を飛躍的に上げるものが望ましい。本稿では、NPO法人内部統制評価機構が開発した「中堅・中小企業向け内部統制評価基準 簡易版」について解説する。