- 2025/12/25 掲載
XがGrokの画像生成機能「Aurora」を一部アカウントで開放、他人の投稿もAI編集可能と物議
他人の投稿も加工・編集メニューが表示される仕様が物議、クリエイターやユーザーからは著作権や悪用リスクへの懸念強まる
こうした機能自体は、Grokによる画像生成モデル「Aurora」の編集能力を活用する形で以前から段階的に提供されてきたもので、AIによるビジュアル編集はGrokのアップデートの一環として進められている。Grokの画像編集機能は、AIが画像内容を解析し、指定した指示に沿って背景変更や要素追加などの編集が可能になるという技術的背景に根差しており、既に数カ月前の提供開始時点から複数メディアが機能の概要を報じている。
しかし、今回のように「他人の投稿画像にも編集メニューが表示される」と見える仕様は多くのユーザーから批判を集めている。報道やSNS上の投稿では、漫画家やイラストレーター、一般ユーザーを含む複数者が、自身の投稿した画像に対して第三者のAI編集メニューが表示されること自体を不快と感じ、クリエイティブ作品の取り扱いや著作権について懸念を示している。こうした反応のなかには、実際にX上の投稿画像を全削除する等の行動に至ったクリエイターも確認されており、AI編集機能の実装がコンテンツ所有者の意向と衝突するケースも発生している。
批判の背景には、単純にユーザーの編集の自由という観点だけでなく、無断編集による著作権侵害や意図しない内容改変、さらにはAIが既存のクリエイティブ素材を無断で学習・加工に利用する恐れに対する懸念がある。従来からXでは投稿されたコンテンツがAIモデルのトレーニングデータとして利用される可能性が指摘され、これがクリエイター側の反発を招いてきた経緯もある。
一方で、この種のAI編集機能自体には肯定的な見方も存在し、ユーザーがより簡単に視覚的コンテンツを生成・改善できる利便性への期待は一定程度ある。AIによる画像編集技術は、プロンプトベースで高度なビジュアル編集が可能になる新たな表現手段として評価される部分もあるが、Xプラットフォーム上での実装仕様や制限、利用規約との整合性については不十分との指摘も出ている。
X側からの公式な声明や正式なリリース文書は現時点で確認されていないため、今回の機能が全ユーザーに展開されたものなのか、あるいはテスト段階の機能なのかについて明確な情報は提供されていない。ただし、AI機能の拡張に伴い、プラットフォーム側がユーザー生成コンテンツの編集・変換に関する方針を今後明示する必要性が指摘されている。
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