• 2026/03/06 掲載

【AIは発明者になれるか裁判】最高裁「発明者は人間に限られる」との判断

訴えを棄却、特許を受ける発明者は「人間」に限られる判断

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人工知能(AI)を発明者として記載した特許出願が認められるかどうかが争われた訴訟で、最高裁判所は米国に住む出願者の上告を退ける決定を下した。これにより、「特許を受けられる発明者は自然人(人間)に限られる」として出願を却下した特許庁の処分を適法とした一審および二審の判決が確定した。
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(画像:ビジネス+IT)
 最高裁判所第2小法廷(岡村和美裁判長)は2026年3月4日付の決定で、人工知能(AI)を特許の発明者として認めるよう求めた訴訟において、出願者側の上告を受理しない判断を下した。この決定により、発明者は人間に限られるとして特許庁の却下処分を支持した一審・東京地裁および二審・知財高裁の敗訴判決が確定した。

 米国在住の原告が2020年に食品容器などの特許を出願した際、発明者欄に「本発明は人工知能が事理的に発明した」と記載したことに端を発する 。特許庁は発明者を人間の氏名に修正するよう命じたが、出願者が応じなかったため出願を却下した。

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【図版付き記事はこちら】「AIは発明者になれるか?」の裁判、最高裁が訴えを棄却(図版:ビジネス+IT)

 原告側は、AIによる発明であっても特許出願は認められるべきだと主張し、国に対して処分の取り消しを求めていた。一審の東京地裁判決は、知的財産基本法や特許法において、発明や特許を受ける権利の主体は人間(自然人)であることが規定・前提とされていると指摘し、AIは発明者に含まれないと判断した。

 二審の知財高裁もこの判断を支持した上で、現行の特許法がAIの急激な発達や自律的な発明を想定して制定されたものではないと言及した。現行法の解釈論だけでAIに特許を付与することは困難であり、特許法の本来の目的である産業の発達に寄与することに直ちにつながるわけではないとの見解を示している。

 さらに二審判決では、仮にAIによる発明を法的に保護する場合、AIの開発者、所有者、あるいはデータ入力者の誰を権利者と定めるべきかなど、社会や経済に及ぼす影響を踏まえた慎重な議論が不可欠であると指摘された 。これらの課題は司法における現行法の解釈で解決できる限界を超えており、国民的な議論を通じて立法府による新たな制度設計が検討されるべき問題であると結論付けられている。

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