- 2026/06/23 掲載
トランプ米大統領、量子技術の開発推進とサイバー防衛に関する大統領令に署名
暗号解読の脅威から政府システムを保護する2つの大統領令
開発面において、エネルギー省に対して科学研究用の量子スーパーコンピューターの構築を支援するよう指示した。さらに、国防総省には2028年までに3種類の新たな量子センサーを配備することを求めている。ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)のクラツィオス局長は、競合国や敵対国による知的財産の窃取を防ぐための保護措置や、サプライチェーンの安全を確保するための国際協力を強化すると説明した。
防衛面では、将来的な量子コンピューターによる暗号解読のリスクに備え、各連邦機関に対してポスト量子暗号(PQC)への移行を義務付けた。移行の期限は従来の計画を4年前倒しし、2031年末に設定された。国家の機密情報やインフラを保護するため、関連機関に早期のシステム改修を迫る内容となっている。
大統領令の署名に合わせ、政権は量子コンピューティング分野に対する20億ドル(約3100億円)の投資を発表した。この資金のうち半額をIBMが受け取る予定となっている。また、米商務省もCHIPSプラス法に基づき、量子技術を開発する9社に対して20億ドル超を拠出する。一連の投資発表を受け、21日の米国株式市場では量子コンピューティング関連銘柄が軒並み急騰した。インフレクション(Infleqtion)の株価が23パーセント上昇したほか、リゲッティ(Rigetti)が13パーセント、Dウェーブ・クォンタム(D-Wave Quantum)が15パーセントの上昇を記録した。
米国は現在、半導体や人工知能(AI)などの基盤技術の供給網を同盟国とともに確保する「Pax Silica(シリコンの平和)」と呼ばれる枠組みを主導している。今回の量子技術に関する大統領令と大規模投資も、先端技術のサプライチェーンにおいて中国に対抗し、米国を中心とした経済および安全保障の秩序を構築する戦略の一環に位置づけられる。
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR