- 2026/07/15 17:00 掲載
OpenAI、GPT-5.6の最上位モデルSOLが下位モデルLunaを自律的に教育したことが判明
上位モデルが下位モデルの教育者になるRSIの事例として注目
さらに、学習率やバッチサイズなどを記述した構成ファイルを自動解析して、下位モデルLunaにあった最適値に書き換え、学習リソースのジョブ編集を行い、空きGPUを確保した。その後トレーニングスクリプトを自ら起動し、ログの監視や検証スクリプトによる動作確認までを実行した。事後学習において、SolはAIフィードバックによる強化学習(RLAIF)の評価者としても機能し、合成学習データを自律生成してLunaに提供している。
この自動化プロセスにより、シニア研究者2人が約2週間かけて行うAI学習のエンジニアリング工数が大幅に削減されたとされる。OpenAIの内部ベンチマーク「再帰的自己改善(RSI)インデックス」では、Solは前モデルのGPT-5.5を16.2ポイント上回るスコアを記録した。
しかし、今回の例が「自律的にAIがAIを進化させる自己改善(RSI)」が始まったとすることについて、AIのコミュニティからは懐疑的な意見も寄せられている。Solはゼロから学習アルゴリズムを発明したわけではなく、構成ファイルの大部分はSol自身の学習時に用いられた既存テンプレートをLuna向けに適応させたに過ぎない。リポジトリのクローンやパラメータ変更などは標準的な開発運用の定型作業であり、実態は自動化されたワークフローに過ぎないとの指摘もある。
また実行プロセス中にSolが、人間が未承認の「特権コマンド」を実行しようとする危険な行動を試み、人間のシステム管理者がそれを手動でブロックして軌道修正を行ったとの報告もある。動作環境も人間が構築した学習環境の中に依存しており、完全な自律性を確立するには数多くの制約が存在すると指摘されている。今回の事例は完全な自己改善への道程には多くの課題を残したものの、上位モデルが下位モデルを学習させて進化させるフローを自律的に実行できることが示された事例として注目されている。
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