• 2026/08/03 12:00 掲載

防衛省、防衛機密情報のAIクラウド運用を本格化、AIで新しい戦い方に対応

無人機や衛星のデータ分析とAIの活用を本格化

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防衛省は、これまで自前システムで管理してきた機密性の高い防衛情報について、民間クラウドでの運用に移行し、AI活用を推進する。2027年度予算で移行準備経費を要求し、無人機や衛星から得られる急増データの横断的な分析と人工知能(AI)の導入を本格化させる。高機密情報を扱うための政府横断的な安全基準は今年度中に整備される予定である。
  防衛省・自衛隊は従来、部隊の指揮や外国との情報共有などに関する機密情報を、各自衛隊などの自前のシステムで運用してきた。しかし、戦場における無人機や衛星の普及に伴うデータ量の急増を受け、横断的なデータ連携・分析を行うため、計算能力や保存容量を柔軟に拡張できるクラウド環境への移行が不可欠と判断した。この移行により、民間企業の最新AI技術をシステムに迅速に取り込み、瞬時の意思決定につなげることが可能となる半面、高機密情報はこれまでクラウドで扱わないのが原則であったため、新たな利用を前提とした政府横断の基準整備が急務となっていた。

 具体的なAIの活用領域として、目標の自動探知や敵味方の識別、SNSや電磁波データなどの膨大な公開情報の自動スクリーニングなどが想定されている。すでに防衛省本省では、2026年1月に発足した大臣直轄の「AI導入推進チーム」の後押しにより、同年2月20日からセキュリティが確保された生成AIを用いた「国会答弁作成AIアシスタント」の試験運用を開始した。過去の国会での答弁資料や省内関連資料を自動参照して素案を作成する仕組みにより、書類処理にかかる時間を70%短縮する効果が確認されており、安全な業務領域でAIを使いこなす実用化実績を重ねている。

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【図版付き記事はこちら】防衛省が防衛機密情報をクラウド移行、新しい戦い方へAI活用(図版:ビジネス+IT)
 一方で、防衛省が求める性能を満たすクラウドサービスは、現状では米国の巨大IT企業が提供するものに実質的に限られるという課題がある。外国企業の基盤を利用する以上、日本の機密情報をどこまで徹底して管理・統制できるかが技術的および制度的な焦点となる。これに対応するため、政府の国家サイバー統括室は今年度中に、安全性と情報の統制を担保するための基準を整備する。データの保管場所や管理権限を持つ人の要件、アクセス管理などを規定し、情報の機密度に上限を設けず特定秘密も対象とする方針である。防衛省は、この安全基準とクラウド活用を通じて新しい戦い方に対応できるインフラを整え、技術の最先端を取り入れつつリスクを高度に制御する運用体制の構築を推進する。

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