- 2026/09/23 00:10 掲載
アリババが次世代AIチップ「Zhenwu V900」発表、50万枚クラスタで10兆パラメータへ
最も注目されるのがモデルの規模だ。同社のQwenチームは、モデルが自ら限界を見つけ、実験を設計し、データを合成して結果を評価する「再帰的自己改善(RSI)」の研究を進めているという。そのうえで、モデルアーキテクチャーとデータ最適化の研究を継続し、5兆から10兆パラメータ規模の新モデルを学習させる計画を示した。より複雑で長い工程を要するタスクをこなし、ASI(人工超知能)へ近づくことが狙いとされる。中国勢ではすでに2.8兆パラメータ級のモデルが登場しており、計画が実現すれば、その2倍から3倍以上の規模になる。
半導体も自前で固める。新たに披露した「Zhenwu V900」について、呉氏は現時点で中国最強のAIチップだと説明。前世代の「Zhenwu M890」比で3倍の性能を持ち、V900で構成する単一クラスタは最大50万枚のカードに対応するという。傘下の半導体設計会社T-Headは、GPUの「Zhenwu」、CPUの「Yitian」、スマートNICの「Panmai」、相互接続用のICNまで、大規模AIクラスタに必要な主要チップを一通りそろえた。すでに2兆パラメータ超の基盤モデルの推論に対応する「M890 AIスーパーノード」は、今四半期からアリババクラウドが商用規模で提供を始める。
供給網の制約にも踏み込んだ。呉氏は顧客のAI需要が極めて旺盛である一方、業界の中長期的な需要が同社の供給能力を大きく上回っていると認めた。AIデータセンターのサプライチェーンで世界的な逼迫が起きており、計算基盤を増強する速度が抑えられているという。それでも2032年までに、アリババクラウドが世界で運用するデータセンター容量を20GW超へ引き上げる方針。端末側では、オープンソースの「Qwen-27B」に加え、モバイル向けの「Qwen Intelligence」を正式に投入する。
呉氏は講演で、機械による思考が「最終的にすべての思考の99.9%を担う」と述べた。現在の機械の思考量は人類全体の3%未満にすぎないとの見方も示しており、そこからの伸びしろの大きさが今回の大型投資の前提にある。
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