• 2026/11/07 11:50 掲載

マイクロソフト ナデラCEOが語る、最新AIモデルより大事な「たった1つのこと」

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高性能なAIを選べば、自社の仕事でも成果を出せるのか。米マイクロソフトのサティア・ナデラ会長兼CEOは、10月下旬公開の「20VC」で、企業独自のAI評価基準が重要な資産になると指摘した。その背景には何があるのか。同社の製品情報や技術資料を手掛かりに、AIを選び、仕事を任せる際の判断基準を探る。
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米マイクロソフトのサティア・ナデラ会長兼CEO
(画像:Seokyong Lee/Penta Press/Shutterstock)

なぜAIの評価基準が「自社の資産」になるのか

 米マイクロソフトのサティア・ナデラ会長兼CEOは、10月下旬公開のポッドキャスト「20VC」で、企業ごとに独自のAI評価基準を持つようになり、それが事業の核となる知的資産になるとの見方を示した。

 ここでいう評価基準とは、AIに実際の仕事に近い問題を解かせ、回答の良しあしを判断するためのものだ。一般的な性能テストで高得点を取れるかに加え、自社の業務でどこまで使えるかを確かめる。

 なぜ、こうしたテストが企業の資産になるのか。ナデラ氏は、企業がAIを使う中で得る知識の蓄積先として、学習済みモデルのほか、AIに与える業務情報や評価基準を挙げている。自社のノウハウを生かす方法は、AIそのものを開発することだけではないという考えだ。

 たとえば顧客対応を想定すると、自然な文章を書けても、社内の規定に反する回答では使えない。どの規定を確認し、どの案件を担当者へ引き継ぐのか。こうした判断をテストに盛り込めば、現場のノウハウをAIの評価にも反映できる。


 企業が自ら評価できれば、モデルを替えたときも、仕事の質が上がったのかを確かめられる。では、モデルの使い分けをシステムに任せる場合はどうだろうか。
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35モデルを使い分ける仕組みにも必要な検証

 複数のAIモデルを自動で使い分ける機能は、すでに製品に組み込まれている。マイクロソフトが11月5日に公開したMicrosoft Foundryの更新情報によると、Model Routerが選択対象とするモデルは35に拡大した。

 Model Routerは、入力された依頼に応じて、処理を任せるAIモデルを選ぶ仕組みだ。同社の技術解説では、回答の品質、費用、応答時間を踏まえてモデルを振り分けるとしている。ただし、35モデルのすべてを、どの利用環境でも直ちに使えるわけではない。

 自動で選べるなら、導入企業は評価に手間をかけずに済むのか。同社は、利用可能なモデルが社内の利用方針に合うかを確認した上で、業務に即した検証を行うよう求めている。現在使っているモデルとの比較も、その一環だ。

 たとえば、大量の文書を夜間に分類する処理なら、待ち時間より費用を優先できる場合がある。一方、顧客を待たせる窓口業務では、回答までの速さも欠かせない。同じモデルでも、任せる仕事によって評価は変わる。


 こうした違いを把握するには、何をもって合格とするかを業務ごとに定めておく必要がある。さらに、AIが回答を作るだけでなく、業務システムを操作する場合には、別の検証も加わる。 【次ページ】正しく答えるAIにも、任せてよい操作は限られる
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