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- 2026/10/06 07:10 掲載
赤字転落から売上1兆円へ…絶好調アシックスが世界で売れ出した“3つの理由”
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
なぜ赤字転落?「体育館の靴」アシックスが沈んだ2010年代
アシックスは鬼塚喜八郎氏が1949年に設立した鬼塚をルーツとする。翌1950年に「バスケットボールシューズ」を発売し、1953年にはマラソンシューズを発売した。当時は速い虎をイメージしたタイガー印を採用しており、1965年にブランド名を「オニツカタイガー」に統一した。1966年にはメキシコオリンピックに合わせてストライプ模様の「メキシコライン」を採用し、これが後のアシックス・オニツカタイガーにおける標準的なデザインとなる。1977年にスポーツ用品のジェレンクなどとの間で対等合併し、「アシックス」社が誕生した。
ランニング・スポーツシューズを中心に、野球やアウトドア用品などスポーツ全般に事業を拡大したアシックスだが、2010年代後半から失速し、2020年度には赤字に転落した。
2010年代後半当時、米国ではスポーツと普段使いを兼ね備えたデザインの「アスレジャー」の靴や服が流行っていた。アシックスも流行に合わせて米国向けを強化したが、デザイン性で負け、在庫を抱えてしまったという。
日常向けシューズの安売りも利益を圧迫した。もともと競技用に強く、一般消費者向けが弱い同社の特徴が現れた結果だった。
【図解】初の1兆円へ、2倍・3倍に伸びた地域はどこ?
だが、2021年度から世界の各地域で販売が伸びていく。2020年度と2025年度の実績を比較すると、地域別では日本国内が943億円から2,042億円に倍増し、北米と欧州事業は倍以上に拡大した。中華圏は約3倍に増えた。2025年度の日本売上高のうち、474億円はインバウンドによるもので、外国人の間でも人気は高まった。
カテゴリー別ではランニングシューズを扱う「パフォーマンスランニング」が1,601億円から3,635億円に伸び、普段使いのスニーカーなどを扱う「スポーツスタイル」も296億円から1,413億円に伸びた。
近年、そのブランド名がよく聞かれるように、「オニツカタイガー」も急成長を遂げた。オニツカタイガーの国内店は海外よりも安く買えるため、ユニクロの旗艦店のようにインバウンドの観光地と化している。
勢いは足元でも続く。アシックスの2026年12月期第2四半期の決算は売上高5,345億円(前年同期比32.7%増)、営業利益1,205億円(同48.5%増)の大幅な増収増益を記録した。
年間売上高は2010年代まで3,000億円台で低迷していたが、2020年代から増え続け、今期は初の1兆円超えを見込んでいる。日本国内だけでなく、北米・欧米・中華圏といずれの地域でも事業の成長が著しい。
では、なぜ世界の消費者は今、アシックスを選ぶようになったのか。 【次ページ】急に売れ出したアシックス、世界が認めた“3つの理由”
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