- 2026/11/04 06:10 掲載
蛇口から酒…若者にヒット「銭湯居酒屋」の実態、飲み放題438円で儲かる緻密な仕組み
連載:ヒットの現在地
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月~は東京拠点。関連サイトはこちら。
飲み放題438円、名物は1本77円…格安「銭湯居酒屋」の実態
「大衆銭湯×大衆居酒屋」をコンセプトにしたエンターテインメント居酒屋「大衆酒泉テルマエ」。最大の特徴は、壁に設置された「蛇口」から酒が注げること。店内には複数の蛇口が設置されており、「レモン酒」「梅酒」「モヒート酒」など最大13種類の酒をセルフサービスで提供する。飲み放題は、「438円」「768円」「1,098円」の3種類(いずれも1時間)。最も安い438円は、完全セルフサービスで7種類の蛇口に制限される。768円は追加で数種類の蛇口が利用できるほか、50種類のドリンクをモバイルオーダー可能。1,098円は、蛇口に加えて生ビールや銘柄日本酒など、ほぼ全種類が飲み放題となる。
「低価格を前提としつつ、テルマエでは他店にはない“楽しさ”を提供することを重視しています。店員がパフォーマンスをして場を盛り上げる演出は、他店でもよく見られますが、テルマエではお客さま自身で濃度を調整したり、友人同士でオリジナルの割り方を考えたりといった体験が醍醐味。コミュニケーションが生まれやすく、体験価値が高まると考えています」(バーチ 広報担当者)
内装はタイルやロッカー風の装飾、ネオン、レトロなポスターなどで銭湯の雰囲気を演出。料理を提供する皿の代わりに、「風呂桶」が使われることも。蛇口の前に用意された風呂桶に酒を注ぐこともできる。
料理は、おつまみから揚げ物、シメまでさまざまあり、名物は1つ77円の「テルマエ串」「小籠包」や1個110円の唐揚げなど。オープンから18時までの「早割」と23時からラストオーダーまでの「遅割」では、名物を半額で提供する。
バーチによると、この早割・遅割対象フードの平均原価率は約95%と利益をほぼ度外視。こうした「目玉商品」や「蛇口から酒が出るエンタメ性」をフックに集客し、後述する各種施策によって収益を上げているという。 【次ページ】月1,000万円赤字から月商3倍、「蛇口から酒」で起きた大逆転
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