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- 2026/11/05 13:10 掲載
AIでコードを書く「その先」に何があるのか?GitHub責任者が示したソフト開発の新構想
GitHub Universe 2026 ジェイ・パリク氏基調講演レポート
コード生成の先へ、開発工程をつなぐ新構想
2026年10月28日、米サンフランシスコで開催された年次イベント「GitHub Universe 2026」の冒頭基調講演で、マイクロソフトのCoreAI担当EVP、ジェイ・パリク(Jay Parikh)氏は、AIエージェントを前提に開発の仕組み全体を変える構想を示した。同氏が率いるGitHubとCoreAIの取り組みは、コードを書く場面にとどまらないようだ。開発者の仕事は、手作業でコードを書くことから、AIの支援を受け、複数のエージェントの作業を指揮することへ移りつつある。ただし、同氏が重視する成果は、コードの量ではなく、機能追加や不具合修正を終えて、使えるソフトウェアを届けることだ。
「SDLC(Software Development Life Cycle)はもはや直線的な道筋ではない」。パリク氏は講演に合わせた公式記事でもそう説明した。SDLCとは、企画、実装、テスト、提供といったソフトウェア開発の一連の工程を指す。従来の順序に沿うだけでなく、同僚からの依頼や本番環境の異常を起点に、必要な工程を行き来する姿を描く。
その中で人は方向を決め、提供する成果への責任を負う。一方、エージェントは実装や検証を担い、作業の結果を次の改善に生かす。同氏が掲げた軸は、アイデアを効率よく形にする速さ、作業の文脈を集めて改善につなげる知能、そして問題を提供前に見つける品質の3つである。
構想を具体化する入り口が「GitHub Copilot app」だ。複数のプロジェクトで動くエージェントや外部ツール、自動化をまとめて扱う。人が個々の作業をつなぐ負担を減らし、何を完成させるかに集中できる環境。その違いを示すため、講演はコーヒーチェーン向けアプリの実演へ進んだ。
コーヒー注文アプリで見えた、開発の新しい分担
最初の実演を担当したのは、GitHubのキャシディ・ウィリアムズ氏だ。題材は、複数店舗を訪れた顧客にスタンプを付ける「コーヒーパスポート」機能。来店の条件や再訪時の扱いなど、コードを書く前に確かめるべき仕様が残っていた。そこで、Copilot appから外部サービスの情報を参照し、同僚とのやり取りを踏まえて未解決の点を確認する流れを紹介した。パリク氏は、Slackなどに接続するコネクターを説明。開発者がアプリを切り替え、必要な情報を人力で収集する手間を減らす狙いだ。
実装に使うモデルの選択では「Copilot Fusion」が登場した。タスクに必要な推論、コード生成、デバッグなどを見極め、1つ以上のモデルを組み合わせる。GitHubの説明では、外部ベンチマークでFusion MaxはOpus 5.5 Maxと2ポイント以内のスコア差に収まり、タスク当たりのコストは半分、所要時間は40%少なかったという。
続くバーク・ホランド氏の実演では、「Copilot projects」に複数のリポジトリ、つまりコードなどの保管・管理単位を登録し、顧客がいつもの注文を簡単に繰り返せる機能の開発を依頼した。デザイン案やSlackでの会話、法務・コンプライアンス部門との会議の情報も追加し、複数のエージェントが並行して作業する様子を示した。
ここで人が渡すのは、実装の指示だけではない。何を作るのか、どんな条件を守るのかという判断材料も含まれる。作業を任せられる範囲が広がったとき、次に問われるのは成果の確かめ方だ。
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