すでにクラウドは、我々の生活に深く根付きつつあるといっていいだろう。スマートフォンで撮影した画像をクラウドのストレージに保存したり、Webメールで情報をやりとりしたりすることは当たり前になった。企業においても、社内システムをクラウド型のサービスに置き換える動きが加速している。社内でクラウドを提供するために、プライベートクラウドを構築する企業も出てきた。
クラウドへのニーズの高まりとともに、データセンタをはじめとするクラウドを支えるインフラ側の動きも慌ただしくなってきた。具体的には、多様化するユーザーニーズにこたえるため、インフラ強化の動きが目立ってきたのだ。こうした動きについて、東京エレクトロン デバイス株式会社 CN事業統括本部 CNプロダクト事業部 プロダクト技術2部 尾田智宏氏は次のように説明する。
「データセンタにおいてもプライベートクラウドを構築する企業においても、省電力・省スペース、シンプルなシステム構成・運用を実現することで、低コストで効率のよいサービスを提供することが求められています。そのために急速に普及したのが、サーバ仮想化やストレージ仮想化などの統合テクノロジーです。ところが、ネットワークに関しては、SAN、iSCSI、NASなどの通信プロトコルごとにネットワークが分かれているため、統合が遅れているのが実態です。そこで注目されているのがFCoE/DCBという技術です。FCoE/DCBにより、複数のプロトコルを束ねてネットワークをシンプルにすることができるのです」(尾田氏)