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  • 2012/09/13

電子書籍にも影響大? 出版社が欲しがる「著作隣接権」とは何か

著作者と出版社の関係変化

出版社に対して「著作隣接権」という、「著作権ではないが、それと似た権利」を与えるべきではないか、という議論が活発になっている。「海賊版対策」「電子書籍時代を睨んだ権利」といった、断片的な情報は一般ニュースサイト等にも掲載されているが、実際にいかなる権利が創設されようとしているのか、その権利によって何ができるようになるのか、どのような問題が発生し得るのか、といった点について、体系立てられた解説を読んだことがない人が多いはずだ。本稿では、現在創設が検討されている権利(以下「出版物に関する権利」という)について概論を述べる。

弁護士 河瀬 季

弁護士 河瀬 季

東京大学 法学政治学研究科 法曹養成専攻 卒業。
2002年からIT関連フリーランスとして、SBクリエイティブ社の雑誌への寄稿、書籍の全編執筆などの執筆活動や、各種ウェブサービスの開発等を行う。司法試験合格後は弁護士として、ITとビジネスに強いコスモポリタン法律事務所(東京・音羽)に所属。自らも、複数のIT企業の顧問弁護士などとして、新興企業支援や知的財産権管理、資金調達などを含む、各種の企業法務に携わっている。
個人サイト:http://tokikawase.info/
Twitter:http://twitter.com/tokikawase

「著作隣接権」と「出版物に関する権利」

 「著作権」は、著作物について、その「著作者」に認められる権利だ。例えば油絵の著作者は画家で、楽曲の著作者は作曲家で、小説の著作者は小説家なので、「著作権」を得るのは画家や作曲家や小説家であり、レコード会社や出版社ではない。

 これに対し、「著作隣接権」とは、著作者以外が持つ著作権法上の権利(のうち差止請求権を認められているものを指すが、これは法律上の分類であり、あまり意味はない)。即ち、「著作者ではないが、著作権法上で何らかの権利を認められている」という場合に、その権利が「著作隣接権」と呼ばれる、という順序だ。「出版社に著作隣接権を与える」という場合に、その権利の中身が、あらかじめ一義的に決まっている訳ではない。どのような権利を与えるかは、権利付与の目的や必要性、弊害などを考慮しながら決定されるべき問題だ。

 現在議論されている、出版社に与えられようとしている権利(出版物に関する権利)は、音楽について、レコード制作会社に認められている権利に似ているが、完全に同じという訳ではない。

「出版物に関する権利」の概要

 では、現在議論されている「出版物に関する権利」とは、どのような権利だろうか。

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