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  • 2012/10/11

情報子会社が考えるグループ貢献、JX・ゼロックス・日本生命の事例から学ぶ

「情報子会社も売却されないはずはない」!?

親会社からの出向社員が減少し、情報共有の機会が少なくなる現状で、情報子会社の存在意義とは何か。「JUASスクエア2012」のディスカッションテーブルの1つでは、情報子会社のミッションとグループ貢献、そして未来への前進について熱い議論が交わされた。進行をつとめたのは、東京ガス子会社のティージー情報ネットワークの横山透氏、JXホールディングス子会社のJX日鉱日石インフォテクノの島田正志氏ら。取り上げられた事例は、JX日鉱日石インフォテクノ、富士ゼロックス子会社の富士ゼロックス情報システム、日本生命子会社のニッセイ情報テクノロジーである。各社各様の課題と取り組みについて紹介する。

エネルギー/製造/金融で見る情報子会社の取り組み

 かつて多くの情報子会社は、柔軟性と機動性を備えた新たな戦力として期待され、設立された。ITがビジネスにおいて必要不可欠なインフラである現在、親会社と情報子会社は一体運営の下、企業グループの価値創造を目指すミッションがあるはずだ。しかし、いま一部の情報子会社は、本社からの出向社員の減少、情報子会社のプロパー社員の比率アップなど、絆が断たれつつある事態に直面している。

 「JUASスクエア2012」のディスカッションテーブル「情報子会社と親会社は運命共同体! 明日のIT組織の企業グループ貢献を考える」では、情報子会社の現状と改善努力の事例を見ながら、今後のIT組織のあり方を模索した。

[進行]
議長:ティージー情報ネットワーク 企画部部長 横山透氏
副議長:JX日鉱日石インフォテクノ 常務取締役 システム企画部長 島田正志氏
JTB情報システム 執行役員 ビジネスソリューション本部 副本部長 伊藤誠氏
日揮情報システム 取締役 グループ&グローバルICT事業部 事業部長 飯島雅氏

[参加者のプロフィール]
ユーザー企業:少数
情報子会社:約6割
ITベンダー:少数
その他:少数

 議長の横山氏はまず、本ディスカッションの事前準備の中で各情報子会社の事例を見て、その有り様や背景が多様でユニークであることに気付かされたと明かした。実際のディスカッションでは、JXホールディングス、製造業、金融業の事例が紹介された。

合併・統合の波に翻弄された情報子会社が抱える5つの課題

 では、会場で実際に発表された3つの事例について、順次見ていこう。

■エネルギー業界の事例:JX日鉱日石インフォテクノの場合

【背景】
2010年4月、新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合して設立されたJXホールディングスは、石油や天然ガスの採掘、非鉄金属の再生・販売などを展開するエネルギー関連企業だ。3社の中核事業会社を中心に167社を配下に置く同グループは、1990年代後半から合併・統合を繰り返して肥大化の一途を辿っている。

JX日鉱日石インフォテクノは、1980年代に日本石油のIT部門から子会社化され、1999年に三菱石油との合併でIT子会社の合併を経験。2003年にJXホールディングスのシステム開発・運用・保守業務の受託会社として新設された。

合併・統合の波に翻弄され、親会社の考え方に一貫性がないまま振り回された同社も、ようやく落ち着きを得た。2011年4月より、ホールディングス各事業会社と並列関係の位置付けとなった同社は、主要業務のシステム開発運用に加えて、ITガバナンスや戦略策定、企画提案業務などの上流業務を実施するという、受動型から能動型への進化を促進している。

【課題】
現状の課題は、5つ。

1)各事業会社のIT部門との役割分担。最大の中核事業会社JXエネルギーのIT部門には30名ほど情報担当者が在籍しており、責任や権限、情報収集、親会社との企画戦略など、各種の役割分担をどうするか。

2)親会社からのスリム化、効率化の要請。コスト削減要求が強まる中で、上流業務への人材投入をどう実現し、有効性をどう説明するか。

3)プロパー社員比率の図化による事業会社との距離感。プロパー社員が増える中で、親会社やグループ業務に関する知識および理解をどう保有し続けるか。

4)上流業務に注力した場合のITスキルの維持および人材育成の方策。

5)組織風土と社員の意識改革。社員の意識はシステム開発運用のみを担うという意識からでていなくて、上流業務にシフトできていない。つい最近までシステム統合が最優先命題だったので、やむなしの面もある。これをどう切り替えていくか、また1対1の関係から1対nの関係になった場合、対応は複雑化して利害対立の狭間に立たされる場面が増える。このとき、どう全体最適の判断を下すかが大きな課題。

【取り組み】
現在は、大きく次の3点を中心に走りながら進めている。

1)戦略企画機能を強化するために、グループのIT要員を同社に集約。同時に、同社の4年目以降のプロパー社員を本社などへ逆出向させる。これをローテーションさせることで、ナレッジ共有を目指す。

2)システムの保守運用機能をアウトソースする。

3)上流業務から下流業務まで一括して担うベンダーやパートナーと提携、スキルの移管などを進める。

【質疑応答】
質問:システム構築で、不具合や成功の割合は。

回答:不具合については、内部でリカバリできる案件と顧客に影響がでる案件とさまざま。QCDも優先事項だが、グループ企業が肥大化していて、事業会社ごとに任せるとまとまらないという親会社の意向もあり、いろいろ任せられているのが現状。ただ、現在の体制でどこまで面倒をみるかは課題だ。

【会場への質問】
質問:事業会社のIT組織との役割分担やフォーメーションに課題があるか

ある:8割以上
なし:2割弱

ないと回答した1人:まったくないわけではない。親会社は企画技術を、子会社は品質を担うなど役割分担が明確化している。ただし、社員は互いに行き来するよう努力をしている。

質問:親会社からのスリム化、効率化の要請について

ある:ほぼ全員
なし:少数

【次ページ】情報子会社の知見を活かしたビジネス貢献

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