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  • 2013/10/28

コールセンターのTMJに聞く、8000名の労働契約業務を1/3に削減した方法

ベネッセグループでコールセンター事業を展開

ベネッセグループでコールセンター事業を展開するTMJ。2013年3月末時点でのコールセンターのスタッフ数は約8000名を数える。同社では2011年、人事制度を改変、それまで半年単位だった契約社員との契約期間を3か月単位に変更、さらに最初の1か月間は単月契約とした。これによって契約社員との間で交わす労働契約書は従来の2.5倍の量となり、膨大な紙の管理が発生することとなった。ガバナンスの強化も含め、この状況を改善するために、同社ではクラウド型人事システムのe-HRを導入、労働契約書の電子化を図り、契約書管理に関わる作業工数の大幅削減に成功した。

事業拡大と管理部門スリム化の両立を目指す

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TMJ
人事総務部 部長
山根 恭子 氏
 TMJは1992年4月、福武書店(現ベネッセコーポレーション)が提供する通信教育講座「進研ゼミ」のコールセンター部門が独立して設立された企業で、現在大きく2つの事業を展開している。

 1つめが設立当初からのコールセンターのアウトソーシングサービスで、ユーザー企業からの依頼を受けてコールセンターの設計や運営などを行うものだ。そしてもう1つがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスで、企業内の事務処理や人事、総務、経理といったバックオフィス系の業務を受託し、運営するものである。

 現在の拠点数は本社、事業所を含め日本全国に16、顧客企業数は240社を超えており、コールセンターのスタッフは約8000名(最大時、以下同)にのぼる。このうち正社員は5%未満で 、残りの人員は期間雇用の契約社員である。

 2006年当時、センタースタッフは5500名になっていたが、同社ではその数をまず8000名へ、そして1万名へと順次拡大していく計画を立てていた。その時の課題について、2007年から現職のTMJ 人事総務部 部長の山根恭子氏は次のように説明する。

「事業拡大のためにセンタースタッフの数を増やしていくことは、一方で人事管理業務の増加を意味します。しかしだからといって、売上や利益に直接寄与しない人事部門の人員を増やすことは、全社視点からは考えられません。そこで我々の人数を増やすことなく、増加する業務にも対応できるような仕組み作りをすることが必須でした。」

 その際に山根氏が考えたのが、各種の紙文書を電子化して業務効率の向上を目指すことだ。同氏はIT関連企業での勤務経験があり、現部署に就任した時、“何てアナログな世界なんだろう”と感じたという。まずは手っ取り早く電子化できるもの、ということで、始めに給与明細をその対象とした。

「次に対象にできるものはないかと考えた時、電子化によってより大きな効果の期待できる紙文書が、今回ターゲットにした労働契約書でした。」

労働契約書の電子化にも乗り出す

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TMJのコールセンターの様子。同社は2013年9月にコンタクトセンター・アワード2013オフィス環境賞「優秀オフィス環境賞」も受賞している
 コールセンターのオペレータ業務はある意味で定型的で、その仕事に携わるスタッフ(=オペレータ)、つまり契約社員の管理も定型化しやすいように見えるかもしれない。

 しかし実際のオペレータ業務は、顧客企業の要望に合わせたカスタマイズが必要で、電話で話す内容やトークの進め方など、その難易度も大きく変わってくる。当然オペレータに求められるスキルは異なり、時給やインセンティブの体系も違う。また就業時間や休みの予定も個人によってバラバラで、さらには毎月のべ500名もの入退職が五月雨式に発生する。

「こうした労働契約の管理は、たとえば1つの人事制度の元に2万人の正社員がいる会社よりも、間違いなく煩雑だと思います。労働契約書をすべての契約社員が同じように提出してくれることはありませんし、我々人事側の対応にも限界がありました。」

 実際に紙で労働契約書をやり取りしていた時には、誰が出していて、誰が出していないのか、また出ていない理由は何なのかを把握することができず、さらに労働契約書管理担当部署である十数名の給与センターでそのすべての洗い出しを行うことは実質的に不可能だった。

「業務の効率化も大きな課題でしたが、何よりもガバナンスの強化が先決だと思いました。そこで一刻も早く労働契約書の電子化を図りたいと考えたのですが、当時はまだ慎重にならざるを得ない社会的状況がありました。」

 日本における契約には、“署名と捺印”の文化が強く根付いている。それが労働契約書を電子化することによって“承認ボタンをクリックする”という作業に置き換わることになる。法律的に問題がないのかどうかが、大きな懸念事項だった。各官庁にも問い合わせてみたが回答はまちまちで、状況はまだまだ“灰色”だった。山根氏はしばらく様子を見ることにする。

「そんな中、政府が電子決済への動きを強化しました。B to Bの契約が電子処理されたり、公的な取引での電子承認が一般的な流れになってきたのです。それで労働契約書の電子化の可否についても再度調査を開始し、問題ないという確証を得られたのが2009年のこと。そこで社内にも“今後、労働契約書の電子化に取り組む”という広報を行いました。」

【次ページ】労働契約に関する作業工数は従来の3分の1に

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