• 2025/06/20 掲載

ERP「リプレース」と「リノベーション」結局どっち? ガートナー流「選び方」を解説

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経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で提唱された「2025年の崖」。その根本的な原因として指摘されているのが、ERPに代表されるレガシーな基幹系パッケージ・アプリケーションだ。カスタマイズ過多などで刷新が難しくなる中、今後どのようにシステム刷新を図るべきなのか。リプレースとリノベーションのどちらを選ぶべきかの考え方や、刷新プロジェクトの「迷走」を回避する方法をガートナーの本好宏次氏が解説する。
執筆:フリーライター 翁長 潤

フリーライター 翁長 潤

ライター。2010年、IT製品・サービスに関する情報提供を目的とするWebサイトにて医療チャンネルの立ち上げに参画し、担当記者として医療分野のIT推進の動向を取材して記事を制作。2011年、日本医療情報学会認定の医療情報技師資格を取得後、病院・診療所向け合わせて30社以上の電子カルテベンダーを取材した実績がある。医療関連システムの製品情報や導入事例、医療IT政策・市場動向に関する取材を行ってきた。

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ERP刷新の際、リプレースとリノベーションのどちらを選択すればいいのだろうか
(出典:ガートナー(2024年10月))

ついにやってくる「2025年の崖」

 ERPに代表される基幹系パッケージ・アプリケーションのトレンドに関して、「2025年の崖」という言葉を聞いたことのある人も多いだろう。

 これは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で提唱された概念で、レガシーシステムの刷新や脱却が進まなければ、2025年以降に経済的な大きな損失が発生し得る、というものである。

 そんなパッケージ・アプリケーションの刷新について、「日本語で刷新と言うと、リプレース、つまり置き換えをイメージする場合もあれば、イノベーション、住み続けながら改修するという両方の意味を持つため錯綜しがちです。住宅に例えてみると、引っ越しまたはリプレースするのか、改修しながらリノベーションで済ませるかとシンプルに捉えることができます」と話すのは、ガートナー バイス プレジデント, アナリストの本好宏次氏だ。

画像
ガートナー
バイス プレジデント, アナリスト
本好宏次氏

 本好氏は、「2025年の崖」という概念が提唱からすでに何年も経っているものの、2028年、2029年の崖、場合によっては203X年の崖など、形を変えて課題として残っている企業は非常に多いのではないかとの見解を示す。

 その一方で、ERPのリプレースやリノベーションには高額な投資が必要となり、数十億から数百億円規模のプロジェクトも存在する。また、リプレースはリスクが高く、失敗すれば大きな損失につながりかねないと本好氏は指摘する。

「経営層やCIO(最高情報責任者)が適切にリスクを把握し意思決定することが重要です。一方、リノベーションで課題をしのぐ選択肢もあります」(本好氏)

 ではこうした状況を踏まえて、企業がERPの刷新を検討する際は具体的にどのようなポイントを考慮すればよいのだろうか。 【次ページ】ERP刷新の強い味方となる「ガートナー流戦略」
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