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- 2014/03/19 掲載
夏野 剛氏「100年後の歴史にも残る」~Webの現在から未来へ:前編~
Web生誕25周年パネルディスカッション
Webの25年を振り返る
新野■まずはWebのこの25年を少し振り返りつつ、この先のWebやWebが社会に与える影響について壇上の皆さんと議論をしていきたいと思います。私なりにWebの25年をまとめてみました。
25年前の1989年に、ティム・バーナーズ=リーさんがWebの技術を作りました。
1993年にNCSA Mozaicをマーク・アンドリーセンさんが作って、これが後にNetscapeになるわけで、ここからWebブラウザが急速に広がってきました。1995年にWindows 95が登場します。このOSには最初からTCP/IPとIntenet Explorerが含まれていて、普通の人がインターネットに接続するのが簡単になっていきます。
1999年にはiモードが登場して、Webがパソコンだけでなくてモバイルでもつながりはじめ、2005年にはWeb 2.0が話題になって、Webがコンテンツ中心だったのがだんだんインタラクティブになっていきます。。
2011年には3.11があって、ソーシャルメディアが社会インフラとして注目されてきました。
新野■村井先生はWebの登場以前、telnetやftpといった時代からインターネットに関わっていらっしゃったわけですが、Webが登場したときに村井先生はどういう印象を持ったんですか?
村井■インターネットは遅い!(笑)
これね、ハイパーテキストをテッド・ネルソンが考えたときは概念だったんです。ところがWorld Wide Webっていうのは、そのテキストがどこにあってもいいという状況でしょ。インターネットのディレイがなくなったとする、十分速くなったらこれはあり得るよねと。これがWorld Wide Webのポイント。
これがダイアルアップでときどきリンクしている先にテキストがあったのでは使い物にならない。いつでもつながっていて、しかも速い、という状況になってHTMLというのは意味を持ってくると。
(ここで夏野さんが遅れて登場)
新野■夏野さん、よろしくおねがいします。みなさんと一緒にWebの25年を振り返っていたところだったのですが。
夏野■iモードのサービスはね、インターネットの敵だとか最初言われてたんですよ。あんなのはHTMLじゃないとか。でも、あの当時で最大限にHTMLに似せたと。
あの当時できた技術でギリギリまでHTMLに準拠したんですが、思想はHTMLと同じで、できるだけHTMLに書かれているものを携帯電話の6行×8文字の画面に載せようと。だってもうしょうーがないじゃん、あのときの技術なんだから。
で、ちなみにその後でWAPというもっともくだらない仕様がでたときに、はじめてiモードが評価されて、はじめてHTMLの仲間に入れてもらえたんです。だからHTMLです!
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