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  • 2014/05/30 掲載

ソフトバンクのデジタルマーケティング戦略、DMP・オムニチャネルは何をもたらすのか

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いよいよ日本でもデジタルマーケティングが本格化してきた。従来、ネットにとどまっていた分野だが、オムニチャネルやO2O(Online to Offline)といった一般消費者の行動変化に合わせて、ネットとリアルの境界線が消えて、ビッグデータやDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)といったソリューションの登場に合わせて、徹底したデータ分析が可能になってきた。こうした動きはどのようにみていけばよいのか、O2O分野で大きな注目を集めた「ウルトラ集客」の仕掛け人で、現在はソフトバンクテレコムでデジタルマーケティング事業を統括する藤平大輔 氏に話を聞いた。
(聞き手は編集部 松尾)

デジタルマーケティングの対象領域が拡大

photo
ソフトバンクテレコム
新規事業営業本部
デジタルマーケティング事業統括部
統括部長
藤平 大輔 氏
──デジタルマーケティング分野が非常に注目を集めています。この背景についてお教えください。

 デジタルマーケティングの分野はもともと、インターネット分野を対象として発展してきましたが、今はリアルとネットの両方を包含する、もっと広い領域を対象にできるものになったことが注目される理由だと私はとらえています。

 現在、消費者はさまざまな手段で情報を取得し、ネット通販や店舗購買など多様な販売チャネルで購買に至っています。こうした消費者の行動を追跡し、マーケティングやプロモーションの可否を検証できるようになりました。

 たとえばテレビや雑誌、新聞、交通広告などの従来の広告媒体では、媒体の「枠」を買って、そこに露出することで何となく売上が伸びたといったように、広告と売上の関係は推定するしかありませんでした。

 しかし、デジタルで捉えることができれば、広告と売上の関係が数字ではっきり見えるので、次の展開が立てられます。こうしたデータをもとにした販促活動やマーケティング活動が実現できるようになったというところがデジタルマーケティングの潮流だと感じています。

──技術的にデジタルとリアルの垣根がなくなってきているのに加えて、「オムニチャネル」という言葉に代表されるように、消費者自身もチャネルの垣根を意識なく超えていくようになりました。このオムニチャネルという視点からはどのようにみてらっしゃいますか?

 ユーザー側については、まったく抵抗感がなくなってきていると思います。たとえば、テレビを見てすぐ買うということはあまりなくなり、ネットで調べたうえで、自分にとって一番使いやすい販売チャネルで購入しています。

 このように消費者自身がオムニチャネルに置かれるようになり、企業側としてこのようなお客さまにどういった形で情報を提供すればよいのかを考える必要が出てきています。たとえば情報提供の仕方を考えなければ、お客さまは情報過多になったり、スパム扱いしてしまうことになります。

──オムニチャネルで消費者との接点が増えると、企業側も何をどうひもとけばよいのか整理がつかなくなっていませんか?

 おっしゃるとおり、チャネルの拡大は企業のマーケターの方の大きな悩みの種になっています。どこから手を付けたらよいかわからないという企業は少なくありません。

 こうした中で最近注目されているキーワードが「ビッグデータ」であったり、「DMP」(データ・マネージメント・プラットフォーム)です。

 ビッグデータ自体はさまざまな切り口で語られる言葉ですが、その中でデジタルマーケティングの領域に絞ったものが「DMP」です。これは従来型メディアの「枠」で広告を行うのではなく、「人」にフォーカスして、広告やマーケティングを最適化するためにビッグデータを解析するためのプラットフォームです。

 昨年あたりから「DMP」が注目され、導入された企業も出てきたのですが、実は必ずしも十分な結果が出ていません。「DMP」にデータを入れればそれで結果が出るわけではなく、重要なのは目的にあるからです。マーケターが社内の情報システム部門や広告宣伝部門などの担当者とじっくり話し合い、KPIを明確にしなければ、それこそ広告費が多少安くなった、といった成果しか得られないのです。

 「DMP」はオムニチャネル時代の複雑な消費者行動をひもとく上で有効なソリューションですが、最大限活用するためには、企業が何をしたいのか、それに合わせて仮説を立て、その仮説を検証するために必要なデータを集める必要があります。仮説が決まらないのに『こんなデータがある』『あんなデータがある』と、ただ闇雲にデータを集めて分析しても、新しい知見を得たり、消費者への接し方を最適化することはできません。

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