• 2015/01/14 掲載

2014年の倒産件数、8年ぶりの1万件割れ 上場企業ゼロは24年ぶり--帝国データバンク

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帝国データバンクは13日、2014年の全国企業倒産集計を発表した。これによると、2014年1月1日から12月31日までの倒産件数は9180件で前年比11.1%減、8年ぶりの1万件割れとなった。負債総額は1兆8678億円で同32.3%減、戦後最大となった2000年の10分の1以下になった。
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倒産件数の推移
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倒産に伴う負債総額
 2014年の倒産件数は9180件と、2013年の1万332件に比べ11.1%減少し、8年ぶりの1万件割れとなった。減少率11.1%は、2000年以降では中小企業金融円滑化法が効果を発揮し始めた2010年(12.4%減)に次ぐ水準という。

 要因として、TDBは(1)金融緩和や財政出動により、企業の資金調達環境など経営環境が改善したこと、(2)中小企業金融円滑化法終了後も金融機関の支援が継続し、経営不振企業の倒産を抑制したこと、(3)駆け込み需要や公共工事の増加により、建設業(1859件)が前年比20.8%の大幅減少したことを挙げた。

 また、2014年の負債総額は1兆8678億円と、2013年の2兆7575億4300万円に比べ32.3%の大幅減少となった。戦後最大となった2000年(21兆8390億700万円)と比べると、10分の1以下にとどまった。

 負債トップは、エヌ・エス・アール(1月、東京都)の1650億円。金融機関による支援や事業再生ADRの活用などにより大型倒産が抑制され、負債100億円以上の倒産は8件(前年20件)と、2000年以降で最少にとどまった。

 業種別でみると、不動産業(319件、前年比6.3%増)を除く6業種で前年を下回った。なかでも、建設業(1859件、同20.8%減)、製造業(1225件、同16.1%減)、卸売業(1381件、同14.4%減)の3業種は前年比2ケタの大幅減少となった。建設業は6年連続の前年比減少で、2000年以降で最少を記録した。

 建設業は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要に加え、公共工事が高水準で推移したことで好況が続き、近時のピークだった2008年(3446件)の約半数に減少した。また、輸出関連の大手メーカーの業績回復を背景に、機械器具などの製造・卸で減少が目立った。

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業種別倒産件数の推移

 主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は7593件(前年8520件)となり、5年連続で前年を下回った。構成比は82.7%と前年(82.5%)を0.2ポイント上回った。「円安関連倒産」は345件判明、前年(130件)の約2.7倍に急増した。また、高齢化を背景に「経営者の病気、死亡」(208件、前年209件)が高水準で推移しているという。

 負債額別に見ると、負債5000万円未満の小規模倒産は5069件と、前年(5619件)を9.8%下回ったものの、構成比は55.2%と全体の過半数を占めた。一方、負債100億円以上の大型倒産は8件(前年20件)にとどまり、2000年以降で最少となった。

 倒産の小型化に拍車がかかり、負債5000万円未満の構成比55.2%は過去10年で最高になったこと、大型倒産は金融機関による支援や事業再生ADRの活用などにより抑制が続いたことなどがこの原因という。

 地域別に見ると、9地域中7地域で前年を下回り、なかでも北陸(293件、前年比20.8%減)、中部(1281件、同17.4%減)、関東(3358件、同13.1%減)の3地域は前年比2ケタの大幅減少となった。一方、四国(180件、同7.8%増)、東北(358件、同1.1%増)の2地域は前年を上回った。

 2014年は、上場企業倒産が発生しなかった。年間を通して上場企業倒産が発生しなかったのは、1990年以来24年ぶり。上場企業の倒産は、資金調達環境の改善や事業再生ADRの広がりにより、2013年8月のワールド・ロジ(破産)以降16カ月連続で発生していないという。

 2014年の負債トップは、エヌ・エス・アール(破産、1月)の1650億円。インターナショナルイーシー(破産、12月)の485億5300万円、白元(民事再生法、5月)の254億9400万円がこれに続いた。負債1000億円以上の倒産は1件にとどまり、大型倒産の沈静状態が続いている。

 今後の見通しについては、2015年も上場企業の倒産が発生し難い地合いが続くと指摘。大手企業を中心として“アベノミクス”による経営環境改善の恩恵を受けている企業がある一方、経営改善が進まない企業については再生の余地なく破産手続きを取らざるを得ないという状況が年々顕著になってきており、この状況は2015年も続くという。

 また、基礎自治体の行財政基盤確立のため、全国的に市町村合併が推進されたいわゆる「平成の大合併」により、市町村数は3232(1999年3月末)から1727(2010年3月末)にまで減少した。今後、新自治体単位での予算のうち、特例分が順次減額されるため、建設事業費削減などで地元企業に影響を与える可能性が高いという。

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