• 会員限定
  • 2015/06/29 掲載

学習塾・予備校業界の売上ランキング、再編必至の「大学入試改革」とは

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
学習塾・予備校業界は、5月に増進会出版社が栄光ホールディングスの完全子会社化に乗り出して以降、業界再編の噂が飛び交う渦中にある。ジャストシステムの「スマイルゼミ」やリクルートの「受験サプリ」など、ここ数年で急成長した「ネット通信教育」も大きな脅威になっている。しかし、それでも再編むなしく、企業の存立さえも危うくなるような危機「大学入試改革」が、4、5年後に確実にやってくる。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

photo

必ずしも「サンセット産業」とは言えないが

 学習塾や予備校というと、一般の人には少子化が進む中で市場が縮小する一方の「サンセット産業(衰退業種)」のように思われがちだが、実態はやや異なっている。近年は、わずかではあるが市場は成長している。

 矢野経済研究所が2014年10月に発表した「教育産業市場に関する調査結果2014」によると、「学習塾・予備校」の2014年度の市場規模は予測値で9300億円となっている。2005年以降の直近の10年間では9,000~9,600億円の範囲内でほぼ横ばい。

画像
学習塾・予備校市場規模

 もっとも、総務省統計局の「人口推計(各年10月1日現在)」によると、同じ10年間に10~14歳の人口は603.6万人から571.3万人へ5.3%減少し、15~19歳の人口は659.3万人から600.5万人へ8.9%減少している。それに対し、この業界は底だった2009年度の9000億円から5年間で3.3%のプラス成長をみせている。学習塾や予備校に通う10代の人口が少子化で減少する中で、まずまずの健闘をみせていると言うことができるだろう。

画像
日本の年齢層別の人口推移

 しかし、リーマンショック直後の低迷から持ち直したとはいえ、止まらない少子化、ジャストシステム、NTTドコモ、リクルートなど異業種も参入してきたオンライン通信教育の進出に加え、センター試験が廃止されて大学入試が「一発勝負」ではなくなり、マンガの『ドラゴン桜』も、今年の新語・流行語大賞有力候補『ビリギャル』も絵空事と化してしまうような入試制度改革が、4年後の2019年度から始まる。

 学習塾・予備校業界にはこの先、非常に厳しい事態が予想される。もはや業界再編に生き残りをかけるしかないとM&Aの噂は活発に行き交っている。

「最後の砦」首都圏も陥落してしまっては

 学習塾・予備校の業界地図は現在のところ、以下のようになっている。

画像
学習塾・予備校業界の売上高ランキング(直近決算期)

【次ページ】ベネッセの凋落、ネット通信教育の台頭、そして再編必至の「大学入試改革」とは

関連タグ

関連コンテンツ

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます