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  • 2015/08/24 掲載

デキる営業もデキる発注者も「完全な要件定義」を求めない

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この世には「完全な要件定義」は存在しない。ゆえに、「発注・納品サイクルの確実さ」を求めるのならば、毎回毎回、完璧な要件定義をすることを目指すのではなく、発注者、納入者の互いの実績と経験の積み上げによる「阿吽の呼吸」を形成することの方が、現実的には有効なことが多い。その意味で、コンペ形式の取引とは本質的に避けようのない困難さを孕むものであり、そこには「完全にはなり得ない、要件定義と戦う力」が求められる。
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提案力とは、モノやサービスを、顧客にとっての意味に読み替える力

 顧客の抱える課題やニーズをつかみとる――言うだけなら簡単だが、これを実行にうつすことが難しいと痛感するビジネスパーソンは多いのではないだろうか?

 一般に、「デキる営業」の条件とは、顧客の抱える課題やニーズをいかに的確につかみとることができるか、ということだと言われている。

 いくら完璧に自社製品のセールススクリプトを暗唱していようとも、いかに軽妙なトークでその場の空気を和ませようとも、目の前にいる調達担当者が「どのような機能、品質のものを、どれくらいのコストで、どれくらいのスピード感で提供されたがっているのか」を把握していなければ、商談そのものがまったく成立しない。

 有能な営業パーソンが顧客からつかむ情報は、これだけにとどまらない。相手方の決裁権や予算規模、発注の許可が降りるまでの意思決定プロセス、最終意思決定におけるチェック・ポイント。さらには、属する部署のミッションから企業が抱える経営上の課題と関心事まで渡る。彼らは、目の前の案件の中身だけでなく、その背景に関する状況をより立体的に把握したうえで、常に最適な行動をとるように心がけているのだ。

 このような営業パーソンの力量の高さは、ひとことで言うと「提案力」という言葉で表現できる。

 どんな商品やソリューションでも、新たにそれを活用する側にとっては、未知の部分が必ず存在する。その製品・サービスが顧客にとってどの程度のコストダウンにつながるのか、業務上、どのようなメリットが存在するのか。こうした視点で、提供する製品・サービスの「価値」を、顧客にとっての「意味」に読み替える作業が必要であり、これこそが「提案力」の本質である。

 正しい提案力を有する営業は、発注者が社内にあげるべき稟議書を下書きしてあげるといった、もはや調達業務そのものを肩代わりするといっても過言ではないほどのパフォーマンスを発揮することになる。

【次ページ】完璧な要件定義を目指さないことの重要性

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